目指す姿を最短距離で実現にするために欠かせない「2つの視点」

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目指す姿を最短距離で実現にするために欠かせない「2つの視点」

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

最高の自分で生きる人生を手に入れたいなら、グッド・バイブスの法則が欠かせない。

「バイブス」とは「振動」のことだ。 思考にこの法則を適用すれば、人生が一変するだろう。

もちろん、だからといってすべての困難を避けられるというわけではない。

「ここでカギになるのは、人生の主導権を握り、自分が満足できる人生を創造することだ。」(37ページより)

望む現実は最良の思考から生まれる』(ヴェックス・キング 著、桜田直美 訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、こう主張しています。

なにかを本気で信じ、あたかもそれがすでに現実になったかのようにふるまうと、 物理的な現実世界にそれを出現させる可能性も高くなるのだと。

したがって、望んだ現実を受け取る、あるいは知覚するためには、望むものが持っているエネルギーと同調しなければならない。いいかえれば、思考、感情、ことば、行動のすべてが、望むものと一体になる必要があるということです。

著者は、マインドコーチ、ライター、ライフスタイル起業家。「グッド・バイブス」を世界に広め、人々が能力をフルに発揮し、人生のあらゆる分野で偉大さを実現できることを目指しているのだそうです。

そんな本書のなかから、きょうはPart 6「行動し、目標を現実化する」に焦点を当ててみたいと思います。

自分のビジョンを描き、進む

目標に向かって行動を起こし、勢いをつけるのは大切なこと。しかし、それは「大きな一歩を踏み出せ」という意味ではないと著者は主張しています。小さなステップであったとしても、着実に前に進むことができるということ。いずれにしても、その時点でできることをすべて行い、つねに全力を出すのは評価に値することだといえるでしょう。

多くの人は、なにかができないことの言い訳をいつも用意しているもの。たとえば、「できるとは思えない」「時間がない」「専門知識がない」「リソースがない」「お金がない」などがそれにあたるかもしれません。

しかし、もし本気で夢を叶えたいのなら、大切な意味を持つのはビジョン、信念、そして献身的な努力。行動を続けていれば、いつか道は開けてくるというのです。

たとえ夢のためだったとしても、苦痛を味わったりするのは嫌だという人もいるはず。しかもそういうときには、「いまはまだそのときではない」などと口に出したりするものでもあります。

だとすれば、いつが「そのとき」なのでしょうか?

実業家のサー・リチャード・ブランソンは、子どものころに読み書きに障害があるディスレクシアと診断された。そして16歳で高校を中退すると、自分の雑誌を創刊した。

当時の彼の状態は、誰の目から見ても「そのとき」ではなかった。しかし彼にはやる気と熱意があった。 ブランソンは飛行機のことなど何一つ知らなかったが、それでもヴァージン・アトランティック航空を操業した。

ブランソンのヴァージン・グループは、巨額の利益をあげていることはもちろん、グループ会社の総数は実に400社にのぼる。(260ページより)

ブランソンが現在でも16歳のときと同じ情熱を持ち続けていることは、知られた話かもしれません。とはいえ彼は常に幸運に恵まれていたわけではなく、数々のピンチを乗り越えてもきました。それは、自分のビジョンを信じ、それを行動に移したからこそ実現できたことなのでしょう。(259ページより)

簡単に見える近道を選ばない

私たちの多くは、自分のやるべきことがわかっているにもかかわらず、やっていなかったりするもの。そして言い訳をしたり、簡単な解決策を探したりしてその場を誤魔化そうとしてしまいがちでもあります。

なかには、少ない努力で同じ結果を手に入れられる方法を見つけることにエネルギーを使いたいと感じる人もいることでしょう。もちろん、賢く働くことは生産性を上げる上でも大切なこと。しかし、“賢く働くための解決策”を見つけるにも、かなりのエネルギーが必要です。

つまり私たちは、ある種の物事は難しい方法でないと達成できないということを受け入れる必要がある。

たとえば、体重を減らしたいなら、消費カロリーが摂取カロリーを上回る状況をつくらなければならない。そのためには、運動を増やすか、食生活を改善するか、あるいはその両方が必要だ。

ほとんどの人もそれはわかっている。ただできないだけだ。 だからその代わりに、魔法のダイエット薬や、その他の近道を探すことになる。(263ページより)

そうなってしまうのには、おもに2つの理由があるのだそうです。まず1つは、自分が目標を達成できると信じていないこと。そのため、挑戦する前からあきらめてしまっているわけです。

そしてもう1つは、目標を達成するための努力がつらすぎると感じていること。プロセスがつらすぎると、そもそも行動を起こす気にならないということです。

スポーツジムに通ったり、健康的な食生活を続けたりするのはつらそうだ。そんなことをするぐらいなら、今のままでいいという考えだ。

そのため、何もせず、もっと簡単で、安楽な道を選ぶ。しかし、快適空間の外に出ずに成長できる人はめったにいない。(264ページより)

だから多くの人は、なにもせずにやりすごし、どうしようもなくなってから重い腰を上げることになるのです。大きな苦痛やプレッシャーがないと、なかなか変化を起こそうとは思わないわけです。

本当に欲しいものがあるのなら、それを手に入れるために行動するだろう。

しかし、苦痛に耐えられなくなるような限界にまで先延ばしにしてはいけない。目標が現実化するプロセスをおくらせてしまうだけだ。(265ページより)

だからこそ、まず自分に「どれくらい本気でそれが欲しいのか」を尋ねてみるべきだと著者はいうのです。快適空間の外に出て、自分の恐怖と向き合うべきだとも。なぜなら人が成長するのは、安穏と暮らしているときではなく、困難に立ち向かったときなのだから。(263ページより)

Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン

メディアジーン lifehacker
2021年12月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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