『今日もマンガを読んでいる』宇垣美里著

『鬼滅（きめつ）の刃』最終巻を発売当日の午前零時に電子書籍で購入し、さらに紙のコミックも手に入れるほどマンガを愛する著者の「週刊文春」連載をまとめたエッセー集。各作品の魅力や読みどころが情感たっぷりにつづられている。

単なる書評ではない。取り上げた作品や登場人物と自身の人生を重ね合わせ、思いを吐き出す。ときに理不尽な社会やままならない現実に向かう叫びは、読む者の心に鋭く刺さる。これだけ人を揺り動かすマンガというメディアの力に改めて気づかされる。本棚の奥に鎮座している古いマンガをもう一度読んでみたくなった。（文芸春秋・１６５０円）

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