『イケズな東京』
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【気になる!】新書『イケズな東京』
[レビュアー] 産経新聞社
井上氏は、京都人の底意地の悪さとプライドの高さを暴露したヒット本『京都ぎらい』の著者である。本書もそのタイトルから都民のイケズを暴く東京論かと思ったが、さにあらず。
東京五輪の遺産や、日本と欧州の建築文化などについて論じた本だ。東京と京都を行き来する建築家の青木氏との対談とリレーエッセーで構成。話題はしばしば東京からそれる。
ただ「ちょっと失礼な質問」や「ちょっとイケズ」がちりばめられ、新型コロナウイルス禍に伴う「東京ばなれ」を疑う論考も。イケズな見方はあからさまに示すものではないようだ。(井上章一・青木淳著、中公新書ラクレ・924円)