ビール会社を早期退職し、57歳から65歳まで東京ディズニーランドの清掃スタッフとして働いた著者が、夢の国の実情をつづる。
来園者との交流やトラブルのエピソード、入園者数予想などの裏話が豊富に語られる。ディズニーの世界観を守るため、迷子放送を行わずに迷子に対応する仕組みなど、非日常の世界をつくる人たちの汗と努力がうかがえる。一方で、収入が決して多くはない、準社員の経済的な問題点にも触れ、苦言を呈する。ディズニーのすばらしさや心温まるエピソードだけを集めた本とは一線を画した、ありのままを伝えてくれる。(三五館シンシャ・1430円)
-
2022年2月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです