『野ネズミとドングリ』
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『野ネズミとドングリ タンニンという毒とうまくつきあう方法』島田卓哉著
［レビュアー］ 産経新聞社
アカネズミはドングリを好んで食べるのに、ドングリだけを餌として与えたら死んでしまった―。野ネズミの生態を研究していた著者は、この偶然出合った現象をきっかけに、野ネズミとドングリに関する研究にのめり込んだ。
アカネズミは主に森林に生息する野ネズミで、日本の森林の維持と世代交代に寄与している。そのアカネズミがドングリを食べてなぜ死んでしまうのか。この問題を野外でどう克服しているのか。謎解きは、まるでミステリー小説のよう。ドングリの豊作凶作が野ネズミを介して人間生活にも影響を及ぼしているという話も興味深い。（東京大学出版会・３７４０円）
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2022年2月13日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです
