明治初期の岩倉使節団に同行した初の女子留学生の一人、津田梅子。7歳前後での渡米から10年余の留学、帰国後の生活で女子教育の必要性を感じ、女子英学塾(現津田塾大)創設など女子高等教育の発展に尽力した。
本書は、令和6年度に新5000円札の肖像画に採用される梅子の生涯をたどる。副題にある明治の女性の生き方も大きなテーマだ。
留学生仲間で、帰国後に専業主婦となった山川捨松、結婚・出産後も音楽教師の仕事を続けた永井繁子、生涯独身でキャリアを貫いた梅子…。三人三様の生き方と現代に照らし合わせた考察も興味深い。(平凡社新書・968円)
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2022年3月6日 掲載
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