『踏切の世界』chokky著(天夢人)

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踏切の世界

『踏切の世界』

出版社
山と溪谷社
ISBN
9784635823388
発売日
2021/12/18
価格
1,980円(税込)

書籍情報:openBD

『踏切の世界』chokky著(天夢人)

[レビュアー] 牧野邦昭(経済学者・慶応大教授)

 交通渋滞や事故の原因として嫌われがちな踏切は、都市では立体交差化事業によりその数を減らしつつある。しかし鉄道と道路が平面で交差する箇所は依然として多くあり、そこで踏切は人々の安全を確保する重要な役割を果たしている。

 本書では警報灯や遮断機などの踏切の基礎知識から始まり、様々な面白い踏切が登場する。実際にそれらの踏切が活躍している動画もQRコードを読み取って見られる。一方で、踏切関連メーカーへの取材も収録されており、「枯れた技術」を使って安全を確実にしつつ、最新技術により省エネ化やメンテナンスフリー化が進む踏切の「進化」も知ることができる。本書で紹介される踏切の「面白さ」は、鉄道と道路の双方の安全を場所ごとに異なる条件の下で実現しようとする「真面目さ」の結果なのだろう。街中や列車の車窓で見かける踏切を見る目が変わる一冊である。

読売新聞
2022年3月11日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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