『至誠の日本インテリジェンス - 世界が称賛した帝国陸軍の奇跡 -』
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『至誠の日本インテリジェンス』岡部伸著
[レビュアー] 産経新聞社
ロシアがウクライナに侵攻した。77年前の日本もソ連の蛮行を受けた。ポツダム宣言受諾を決め、武装解除中だった昭和20年8月18日、ソ連軍に千島列島の占守(しゅむしゅ)島を奇襲され、樋口季一郎陸軍中将が独断で反撃を命令。日本軍が優位に戦闘を進めた。本書は、樋口中将の決断の背景にスウェーデンで小野寺信陸軍少将が入手したソ連参戦のヤルタ密約情報があった可能性を指摘する。
ソ連仲介和平工作を進める中枢が抹殺したという「小野寺情報」が生かされたとしたら、陸軍のインテリジェンスがソ連の北海道占領の野望を打ち砕いたことになり興味深い。(ワニブックス・1650円)