『マンガでわかる 痔の治し方』
- 著者
- 平田 雅彦 [著]/ヒヅメ [著、イラスト]
- 出版社
- 小学館集英社プロダクション
- ジャンル
- 文学/日本文学、評論、随筆、その他
- ISBN
- 9784796878951
- 発売日
- 2022/03/16
- 価格
- 1,430円(税込)
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「痔じゃないふりをするのはもうやめよう」 痔主の漫画家がまず肛門科の受診が必要と語るワケ
[文] 小学館集英社プロダクション
「痔」は日本人の3人に1人がかかっているといわれている生活習慣病のひとつ。トイレのたびに出血する、かゆみや便秘が慢性化しているなど、お尻のトラブルを認識しているにも関わらず肛門科を受診しない人も多いという。
一級建築士の資格を取得後、漫画家として活躍しているヒヅメさんもそうした見て見ぬふりをしてきた一人だ。手術するまで悪化した経験をもとに、肛門科の専門医である平田雅彦さんとまとめた『マンガでわかる痔の治し方』を刊行したヒヅメさんが、まず必要なこととして「一度は肛門科を受診してほしい」と訴えている。自分で痔を治す方法を紹介する書籍を作る一方で、第一に肛門科の受診を奨める理由を伺った。
■最悪だった痔の手術・入院体験
数年前のことです。もともと長年痔に悩まされていたのですが、銭湯の仕事を辞めて漫画家一本で生活をするようになると、あっという間に痔が悪化しました。
「まあ薬をつければ痛みは治まらないし」
「わざわざ病院に行くほどじゃないよな」
そう思っていたある日、僕のお尻が限界を迎えました。
これまでとは明らかに違うお尻の切れ方でした。あまりの痛さに半ケツのままトイレから転がり落ちました。
僕は駆け込むように肛門科に行きました。診断結果は、切れ痔といぼ痔。痛みはまったく治まらない。一刻でも早く解放されたかった。それで、僕はお医者さんに頼み込んで手術、入院をしました。
手術や入院、その後の生活の詳細は本書で紹介していますが、あんな経験はするもんじゃないですよ。二度としたくない。
■痔は手術する必要がない
僕も後から知りましたが、痔は手術する必要がありません(ただし痔瘻は除く)。むしろ手術する人は少数派で、手術する人は全体の約10%なのです。
なぜなら、痔は生活習慣の悪化によって発症する生活習慣病だからです。つまり痔は生活習慣の改善によって症状を抑え込み、再発を防ぐことができるのです。
それでも人が手術をしてしまう原因の一つとして、日本の多くの患者さんは「手術が必要な状態になるまで放置しすぎ」なんだそうです。
お尻に違和感を覚えてから初受診までが長すぎる
平田先生の調査では、初めてお尻に違和感を覚えてから肛門科を受診するまでに平均7年かかっているそうです。この記事を読んでいる人はぜひこれを機会に肛門科を受診してほしいです。
お尻が気になるけど受診していないという人の多くは、そこまで自覚症状がないために放っておいているのだと思います。それでも受診してほしい理由として、「それは本当に痔なのか自分では判断できない」からです。
最悪の場合、痔だと思っていたら「がん」だったということも十分あり得る。専門医に診断してもらう必要があるのです。
■肛門科に行くタイミング
「肛門科に行くべきタイミング」とは何かというと、ずばり「期間」です。一定の期間続けてお尻に不具合があれば、それはもう正常ではないのです。
なので、以下のような症状が一度以上起きた場合、まずは肛門科を受診して、症状の悪化を防いでほしいのです。ちなみに内痔核(肛門の腸側にできるいぼ痔)は痛くなりません。でも「痛くないから大丈夫」は正しくありません。
加えて、妊娠初期の方や妊活中の方は、今ある痔が悪化しやすいので、ぜひ早めの受診がおすすめです。
■肛門科に行くことは恥ずかしいことじゃない
肛門科に行くことへ抵抗感を覚える人は、少なくありません。ただ、今は多くの病院が予約時から診察までプライバシーにしっかりと配慮しています。恥ずかしさが理由で通院を避け症状を悪化させてしまうのはお医者さんも望んでいません。
診察のためにお尻を診られる(視診)、触られる(触診)ということは避けられません。しかし現在は、視診、触診においてもプライバシーに最大限の配慮がされています。
正直に言って触診は気持ちのいいものではありませんけどね。
痔の予防と治療には、まず自分のお尻の状態を知ることが大切です。自分で把握することで、適切な生活改善をしていくことができるからです。
自分で治す。そのための第一歩として、まずは受診が必要です。せっかくこの記事を読んでいただいたご縁に、ぜひ受診してみてください!