戦前に4内閣で外相を務め、戦後は革新系政治家として都知事選に2度挑戦、また三島由紀夫の小説『宴のあと』のモデルとしても知られる有田八郎(1884~1965年)の回想録。長らく入手困難だった書籍が復刊された。
佐渡に生まれた有田は外交官となり、3期上の吉田茂に先んじて外相に。軍との調整や英米との摩擦回避に腐心し、敗戦直後には首相の可能性もあったが、公職追放で望みが絶たれてしまう。
解説は有田と同郷の竹内洋・京都大名誉教授。「バカ」が付くほど不器用な出処進退への視線が優しい。(中公文庫・1100円)
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2022年3月27日 掲載
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