【児童書】『えんどうまめばあさんとそらまめじいさんの いそがしい毎日』松岡享子 原案・文、降矢なな 文・絵

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えんどうまめばあさんとそらまめじいさんの いそがしい毎日

『えんどうまめばあさんとそらまめじいさんの いそがしい毎日』

著者
松岡享子 [著、企画・原案]/降矢なな [著、イラスト]
出版社
株式会社 福音館書店
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784834086584
発売日
2022/04/08
価格
1,320円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【児童書】『えんどうまめばあさんとそらまめじいさんの いそがしい毎日』松岡享子 原案・文、降矢なな 文・絵

[レビュアー] 三保谷浩輝

■温かさにあふれた物語

仲良く暮らす、えんどうまめばあさんとそらまめじいさん。一日中まめまめしく働いているが、やりたいことが見つかると、すぐに始めないと気がすまない。

食事中に畑のえんどうまめのつるがのびていることを思い出すと、「ぼうをたてて つるをまきつけてやらなくちゃ」と畑へ。だが、草ぼうぼうの畑を見ると棒を立てるのを忘れて草取りを始める。抜いた草をうさぎに食べさせようとうさぎ小屋に行くが、小屋の金網が壊れているのを見ると草のことは忘れ、「おじいさんに しゅうりしてもらわなくっちゃ」…。次々と新たなことを始める2人だが、時間に追われたりはしない。その様子がおだやかにユーモラスに描かれる。

原案は童話「くまのパディントン」シリーズの翻訳などで知られる児童文学者で文化功労者の松岡享子さん。今年1月に86歳で亡くなる前に病床で語ったアイデアをもとに、絵本作家の降矢ななさんが仕上げた。

温かさにあふれた物語、絵からは「暮らす」ことの意味、味わいが伝わってくる。(福音館書店・1320円)

三保谷浩輝

産経新聞
2022年4月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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