色とりどりの生花が飾られた花祭壇、大きな遺影写真、プロジェクターに映し出される故人の生前の姿…。今や珍しくもない葬儀の様子だが、こうした葬儀が行われるようになったのは平成に入ってからという。高度経済成長期に大きく変化した日本の葬儀は、平成に入ってさらにもう一段大きく変化した。変化は今も進行中だ。
こうした葬儀の変化を検証し、問題提起したのが本書。著者は、真宗大谷派住職で、民俗学者として日本の葬送儀礼を研究してきた。葬儀のビジネス化で日本人の死生観が変わってきていると指摘する。死とは、葬儀とは何かを問う。(法藏館・1430円)
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2022年4月17日 掲載
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