【気になる!】新書『「おくのほそ道」をたどる旅 路線バスと徒歩で行く1612キロ』下川裕治著

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「おくのほそ道」をたどる旅

『「おくのほそ道」をたどる旅』

著者
下川 裕治 [著]
出版社
平凡社
ジャンル
歴史・地理/旅行
ISBN
9784582859997
発売日
2022/03/17
価格
968円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【気になる!】新書『「おくのほそ道」をたどる旅 路線バスと徒歩で行く1612キロ』下川裕治著

[レビュアー] 産経新聞社

芭蕉の吟行をまとめた『おくのほそ道』の旅路をたどる紀行文。旅にまつわる数々の本を刊行してきた著者ならではの筆致で、細部まで丁寧に描いている。

例えば、著者が旅立つときの描写。出航時間や橋の名前など詳細が書かれ、臨場感を味わえる。ともに出航したかのような気分を堪能してから、本書に収録された芭蕉の句「行春(ゆくはる)や鳥啼魚(とりなきうを)の目は泪(なみだ)」を読むと、ひときわ胸にしみる。

俳句が旅の絶妙なアクセントになっている。閉塞(へいそく)感の漂うコロナ禍の中で旅行気分も味わえる。(平凡社新書・968円)

産経新聞
2022年4月17日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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