【児童書】『アフガニスタンのひみつの学校』ジャネット・ウィンター作、福本友美子訳

レビュー

4
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

アフガニスタンのひみつの学校

『アフガニスタンのひみつの学校』

著者
ジャネット・ウィンター [著]/福本友美子 [訳]/清末愛砂 [解説]
出版社
さ・え・ら書房
ジャンル
文学/外国文学小説
ISBN
9784378015309
発売日
2022/03/16
価格
1,650円(税込)

書籍情報:openBD

【児童書】『アフガニスタンのひみつの学校』ジャネット・ウィンター作、福本友美子訳

[レビュアー] 横山由紀子

■タリバンと女子教育

女というだけで、学校教育を禁じられ、外出もままならない。そんな理不尽なことがあるだろうか。

1996年から5年間、イスラム原理主義勢力タリバンの支配下で女子の教育や就労が制限されたアフガニスタン。少女の身に起きた実話である。

ナスリーンは親がタリバンに連行され、学校に通えず、その衝撃から一言もしゃべらなくなっていた。見兼ねた祖母が、女子教育をこっそり行う学校に通わせる。そこでナスリーンは友達と言葉を交わし、知識を得る喜びを見いだす。

友との交流を通して成長し、勉学で未知なる世界が開かれる学校教育は、かけがえのないものだ。

2001年に起きた米中枢同時テロを契機に、タリバン政権が制圧されたアフガニスタンでは、各国の支援もあり学校に通える女子が増えていった。だが昨年、再びタリバンが政権を奪取し、女性への締め付けが徐々に厳しくなっているという。時代を逆行させてはならない、と切に願うのだが…。(さ・え・ら書房 1650円)

横山由紀子

産経新聞
2022年5月1日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • このエントリーをはてなブックマークに追加