東京工芸大芸術学部写真学科教授で、日本写真協会賞新人賞などの受賞歴を持つカメラマンによる写真論。経験に基づいており、言葉に説得力がある。
中でも興味深いのは、著者が写真コンテストの審査をするときに重視しているポイントだ。「新鮮であるか」と「新たな価値観の提示」の有無に着目。「自分には撮れない」と感じられるかも考慮するという。
デジタルカメラやスマートフォンが普及し、誰でも簡単に撮影できるようになった。だが、その写真で多くの人々を魅了するのは至難の業。トップランナーの尺度を胸に刻みたい。(光文社新書・1078円)
-
2022年5月1日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです