「ビッグデータ」が流行語となり、さまざまな業界でデータ分析が盛んになった昨今。しかし怪しい分析が世に出回り、社会に混乱や不幸をもたらすことも増えていると、名著『世論の曲解』などで知られる政治学者は指摘する。
誤った分析に気づくのに、必ずしも高度な統計学的知識は必要ない。ダメな分析の多くは、分析結果とそれを根拠に展開される議論が実は整合していないからだ。多くの失敗例から分析の正否を分ける勘所を抽出し、一般人の読解力養成だけでなく分析者の能力向上も図る。実践的でみっちり濃密、類書のない一冊。(中公新書ラクレ・1078円)
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2022年5月15日 掲載
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