毎朝1分間を「自分への質問タイム」にしたら、どんな変化が起きるのか?

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

朝1分間、30の習慣。

『朝1分間、30の習慣。』

著者
マツダミヒロ [著]
出版社
すばる舎
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784799110478
発売日
2022/05/13
価格
1,430円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

毎朝1分間を「自分への質問タイム」にしたら、どんな変化が起きるのか?

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

毎朝、決まった時刻に起きるのは大変。ましてや新しい週が始まる月曜日であれば、なおさらつらく感じるかもしれません。しかし、大切なのは「何時に起きるか」ではなく、「起きてからなにをするか」。

朝1分間、30の習慣。 ゆううつでムダな時間が減り、しあわせな時間が増えるコツ』(マツダミヒロ 著、すばる舎)の著者は、そう主張しています。朝という時間に「自分に質問をする」ことに、大きな意味があるのだとも。

そうした考え方の根底にあるのは、著者自身の実体験。かつて、すがすがしい気持ちで目覚められなかったとき、自分に「いま、どんな気持ち?」と質問してみたのだそうです。すると、「××のことで落ち込んでいる」「きのう、△△さんにいわれたことが気になって…」など、抱えていた不安や悩みがクリアに見えてきたのだとか。

さらに続けて「その悩みって、考えれば解決できると思う?」と問いかけたところ、「これは悩んでいても仕方がないことだ。だったら、やるべきことを一生懸命やろう」というような新しい思考が生まれたのだといいます。

自分への質問を繰り返すことで、頭のなかにあるモヤモヤを整理し、考えても無駄なことが整理できました。そして、やるべきことを導き出すことで、またポジティブな気持ちを取り戻すことができたのです。(「Prologue」より)

そうした裏づけがあるからこそ、朝の時間を意図して使うべきだと主張しているわけです。

最小で最大のパフォーマンスをつくり上げるために、自分への質問を活かしながら、朝という時間を効率的に使いましょう。そして、生産性と幸福度の高い1日を過ごしましょう。(「Prologue」より)

きょうは、こうした考え方に基づく本書の第2章「朝1分間、30の質問〜Question・Action・Plan〜」のなかから、基本的な質問を抜き出してみたいと思います。

「いま、どんな気持ち?」

朝、「いま、どんな気持ち?」と自分に質問しようなどといわれると、「質問なんかしなくても、自分の気持ちは自分がいちばんよく知っている」と思われるかもしれません。

しかし実際のところ、頭のなかには想像以上にいろいろな感情があるもの。

だからこそ「いま、どんな気持ち?」と聞いてみてください。

そこで出た答えこそ、いまの心の大部分を占める思いです。

その気持ちを理解したうえで、今日やるべきタスクや優先順位を決めましょう。

それが、今日できるベストな行動となります。(57〜58ページより)

たとえば質問した結果、「なんだかわからないけど、朝から疲れている」という答えが出てきたとしたら、「きょうは無理しないで早めに仕事を終え、21時には寝よう」というような目的が生まれるかもしれません。

しかし逆に、自分が疲れていることを認識していなかったとしたら、いつもどおりにがんばってしまうことになるでしょう。

すると、さらに疲れがたまり、いい仕事ができなくなります。パフォーマンスの低下に気づかずアクセルを踏み続けると、身体や心を壊す可能性も否定できません。

したがって、朝起きてすぐ自分に問いかけ、心と身体の状態を知ることが大切なのです。(57ページより)

導き出した答えに対して、さらに質問をする

また、そうやって導き出した答えにさらに質問を重ねていくと、解決策を見出すこともできるそうです。

たとえば「今朝はなんだかイライラしてる」と答えたとします。

そこに「なぜ、イライラしているの?」と質問を重ねます。(59ページより)

すると無意識のうちに、イライラしている原因を自分のなかから見つけようとするはず。「きのうやろうと思っていたことがあったのに、できなかった」「○○さんにこういわれて落ち込んでいる」など、ともすれば見落としてしまいがちな「イライラの原因」が明確になるわけです。

そこから、また「じゃあ、どうしたらいいと思う?」と質問をします。(59ページより)

そうすれば、今度はイライラを解決する方法を見つけ出そうとすることになるでしょう。そして、「きょうの午前中に終わらせれば大丈夫」「○○さんはいつも怒っているから気にしないでいいか」など新たな思考が生まれ、もやもやは自然と消えていくことに。

自分がどんな気持ちなのかを知り、そこに質問を続けることで、さまざまな問題を解決できるようになるわけです。(58ページより)

「答えが出ない」のも正解

とはいえ、質問を繰り返したところで一向に解決策が見つからないというケースもあり得ます。とくにそれが顕著なのは、人間関係などの問題。相手の気持ちがわかるわけではないので、自分がどう考えたところで答えが出るとは限らないのです。

しかし、その「答えが出ないという答え」にたどり着くことが重要

精神科やカウンセリングに通う人は、その場で直接問題は解決しなくても、心のなかのモヤモヤを吐き出すことが結果として解決につながるといいます。

心の病にかからないためにも、起きてすぐ自分がどんな感情であるかを知り、整えることが大切です。(60ページより)

大人になると気軽に悩みを吐き出しにくくなりますが、だからこそ自分で自分に質問し、悩みを吐き出すべき。人にはいえないことでも、朝の時間を利用して自分にいうことならできるはずです。(60ページより)

自分への質問をすると、自分でも気づかなかった「本当の気持ち」がわかるもの。また、それに沿った1日の目的が生まれてくるものだと著者はいいます。

朝を充実させ、1日を、そこから続く毎日をより充実したものにするため、参考にしてみる価値は大いにありそうです。

Source: すばる舎

メディアジーン lifehacker
2022年5月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク