『縄文人は海を越えたか? 「文化圏と言葉」の境界を探訪する』水ノ江和同著

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縄文人は海を越えたか?

『縄文人は海を越えたか?』

著者
水ノ江和同 [著]
出版社
朝日新聞出版
ジャンル
歴史・地理/日本歴史
ISBN
9784022631183
発売日
2022/04/08
価格
1,870円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『縄文人は海を越えたか? 「文化圏と言葉」の境界を探訪する』水ノ江和同著

[レビュアー] 産経新聞社

なぜ縄文人は危険を冒しても、丸木舟で外洋に乗り出したのか。

縄文文化が広がった範囲は、北方領土・択捉島から沖縄諸島・久米島や伊豆諸島・八丈島まで。現在の日本の国境にほぼ重なる。縄文人は、ときには黒潮を越えて島と交流していた。伊豆諸島・神津島は縄文時代に流通した黒曜石の原産地。北海道稚内市沖の礼文島では土器や竪穴住居のほか、新潟県産のヒスイも出土している。

考古学者の著者は周辺地域のロシア沿海州や朝鮮半島の考古資料も検討し、「文化圏と言葉」という考え方を示す。縄文研究の流れも盛り込み、考古学の面白さを伝える。(朝日選書・1870円)

産経新聞
2022年6月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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