IKEAのサメは、なぜバズった?5つのSNSの特徴と効果的な使い方教えます

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SNSマーケティング大全

『SNSマーケティング大全』

著者
門口妙子 [著]/坂本翔 [監修]
出版社
ぱる出版
ジャンル
社会科学/経営
ISBN
9784827213249
発売日
2022/04/28
価格
1,650円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

IKEAのサメは、なぜバズった?5つのSNSの特徴と効果的な使い方教えます

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

SNSマーケティング大全』(門口妙子 著、坂本翔 監修、ぱる出版)の冒頭には、スウェーデンの家具メーカー「IKEA」で販売されているサメのぬいぐるみ「ブローハイ」の話題が登場します。

「ブローハイ」に服を着せたり食卓に座らせたりして擬人化させた写真をSNSに投稿することが“バズった”という、2019年ごろのエピソード。覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

IKEAの海外店舗が「ブローハイ」の擬人化写真をSNSに投稿したことがきっかけとなり、大きな話題を呼んだわけです。その結果、「ブローハイ」はIKEAの看板商品となり、発売以来30万個(2021年時点)を売り上げる大ヒット商品へと成長したのでした。

この事例からわかることは、SNSでは、ユーザーに「自分も参加したい」「自分でもできるかも」と思わせることで、広告費をかけずとも直接購買につながるようなブームをも生み出すことができるということです。(「プロローグ」より)

注目すべきは、IKEAが行ったのは、ただSNSに写真をアップしただけだということ。しかし、そこにSNSを閲覧するユーザーの視点に立った“ひと工夫”を加え、「おもしろい」「かわいい」という感覚や親近感を刺激したからこそ、大きな流行を生み出すことができたわけです。

ここからもわかるとおり、「私もやってみたい」と思わせる内容でつくられたものは、広く拡散され続ける傾向にあると著者は指摘しています。そこで本書では、SNSを活用した販促の手法を紹介しているのです。

しかし、やはり気になるのは「どのSNSを、どのように使うか」という点ではないでしょうか? そこできょうは第1章「SNSマーケティングの基本を知ろう!」のなかから、「それぞれのSNSが持つ強み」に焦点を当ててみたいと思います。本書で紹介されている5つのSNS(Instagram、Twitter、LINE、YouTube、TikTok)の特徴を紹介したパートです。

「映える」投稿中心から機能の多様化へ(Instagram)

Instagramはかつて、ビジュアル重視の「映える」写真を共有する若者向けSNSでした。しかし近年は、教養やビジネスなどの情報をスライド形式で投稿したり、雑誌のように文字と写真を併用した投稿が人気に。そのため結果的に、幅広い層のユーザーに受け入れられるようになったわけです。

運営元はFacebookと同じMeta社(旧Facebook社)で、FacebookやTwitterなど他のSNSとの連携も簡単。加えて最近は、TikTokのようなショートムービーを共有する「リール(Reels)」や、ライブ配信機能の「インスタライブ」、ECサイトに誘導できる「ShopNow」など機能もさらに充実。ユーザー数も増加傾向にあるため、いま最も汎用的なSNSといえます。(30ページより)

情報の伝達速度と拡散力に圧倒的強みが(Twitter)

1投稿あたり140文字までという制限があり、簡潔なテキストしか投稿できないため、他のSNSと比較すると投稿のハードルが低いのがTwitterの特徴。リアルタイム性が高いため、ニュースやトレンドをキャッチすることに適したSNSです。

世界中の人が近況を「つぶやく(tweetする)」ため膨大な情報がタイムラインにあふれることになりますが、「ハッシュタグ」をつけて検索すれば特定の情報をキャッチすることが可能。他のアカウントの投稿を簡単に引用できる「リツイート」という機能もあるだけに、求めている情報にアクセスしやすいという強みも。(32ページより)

国内利用者数はNo.1! ビジネス利用も活発(LINE)

LINEは他のSNSとは異なり、基本的にはクローズドな環境で情報のやり取りをするサービス。友人同士の雑談やビジネス上の業務連絡など、チャットツールとしての側面が強いということです。

フォロワー向けに短い動画を投稿できる「LINE VOOM」やコンテンツを楽しめる「LINEマンガ」、音楽のサブスクリプションサービス「LINE MUSIC」など、個人向けプラットフォームとしての機能も多数。

ビジネスでも、「LINE公式アカウント」を利用すれば、メルマガのように直接ユーザーに情報を届けることができます。

したがって、他のSNSのようにタイムラインに埋もれてしまうこともないのです。また、クーポンやショップカードの発行機能もあり、ビジネス向けのサービスも充実しています。(32ページより)

動画視聴サイトとして世界で最も有名なSNS(YouTube)

若年層から中高年層までの幅広いユーザーが利用しているYouTubeは、もはやすっかりおなじみ。

投稿者は自身の「チャンネル」を開設して動画を投稿したり、ライブ配信を行うことができます。そのためエンターテイメントからビジネスまで、多種多様なコンテンツにあふれています。

ビジネスに活用する場合は、商品の使用手順を動画で紹介したり、専門的な知識などをわかりやすく解説するなどのアプローチに最適。ただし動画はテキストや画像にくらべ、ユーザーがコンテンツの閲覧に割くエネルギーが高め。

また、すでにコンテンツが飽和状態にあるためレッドオーシャン化しており、参入障壁が高くなっているという側面も。したがってビジネスとして活用する場合は、YouTubeへの広告掲載も含めて検討したほうがよさそうです。(33ページより)

現在最も勢いのあるショートムービーSNS(TikTok)

中国のByteDance社が運営するTikTokは、近年、ユーザー数が急速に増加しているSNS。

前述したInstagramの「リール(Reels)」やYouTubeの「ショート(Shorts)」などにも似たような機能がありますが、TikTokはそれらにはないポテンシャルを持っています。それは、15秒程度(最大3分)の短い動画を投稿するショートムービーのSNSであるという点。

また、他のSNSにくらべて若年層の使用率が高い傾向にあり、フォロワー数が少なくても比較的「バズりやすい」アルゴリズムになっているのも特徴。そのため、今後ビジネスでの利用が期待されているわけです。

したがって、人気のあるインフルエンサーを使ったキャンペーン施策などとの親和性が高いといえます。(33ページより)

以後の章では、各SNSの活用法がさらに具体的に紹介されていきます。それらを理解したうえで駆使すれば、第2の「ブローハイ」を生み出すことができるかもしれません。

Source: ぱる出版

メディアジーン lifehacker
2022年6月6日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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