『一緒に生きる　親子の風景』東直子著、塩川いづみ画

インターネットが浸透し、育児に関する玉石混交の情報があふれている。そんな中で誰かの価値観に縛られるのではなく「もっと自由に子育てを」と呼びかける本書が出版された意義は大きい。

著者は現代歌壇をリードする歌人の一人で、作家でもある。本書は、子育てを軸にしたエッセー集だが、随所にちりばめられた子供にまつわる短歌や詩などが絶妙な〝スパイス〟になっている。

与謝野晶子や河野裕子のほか、現代歌壇を代表する俵万智や小島ゆかりの作品も引用されている。さまざまな時代の歌人や詩人らの感覚を知ることができ、視野が広がった。（福音館書店・１７６０円）

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