「動物の権利」運動は、どんな動物の命も人間と同等とする。この運動に入れ込む日本人活動家を取材したルポルタージュが本書。
江戸時代から続くイルカの追い込み漁を交流サイト(SNS)で世界に拡散し、海外からの批判を呼び込む。家畜の飼育や水族館のイルカショーも「非人道的だ」と主張し、見直しを迫る。
著者は、この運動が従来の価値観を覆し、私たちの暮らしや社会システムを一変させる可能性を秘めていると指摘する。何を正解とするかはその時代の価値観にもよるが、運動の静かな広がりが気になる。(PHP新書・1045円)
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2022年6月12日 掲載
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