『世界を喰らう龍・中国の野望』ピエール=アントワーヌ・ドネ著、神田順子監訳、清水珠代・村上尚子訳

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『世界を喰らう龍・中国の野望』ピエール=アントワーヌ・ドネ著、神田順子監訳、清水珠代・村上尚子訳

[レビュアー] 産経新聞社

欧州もやっと、中国の脅威に目覚めた。その背景を解き明かしてくれるのが、本書である。

著者はAFP通信で北京、東京特派員を歴任し、フランスにおけるアジア報道の第一人者。亡命ウイグル人による人権侵害告発、産業スパイ疑惑、孔子学院を巡る騒動など、中国を巡る最近の欧州の動向を克明に描き出す。

米中対立が深まる中、習近平政権は欧州で「愛され、尊敬される中国」の宣伝戦に出た。フランスではいま、親中外交を支えた元閣僚、学識者たちが説明責任を問われている。日本はどうか。わが国の対中関係を考えるうえでも、必読の書。(春秋社・2750円)

産経新聞
2022年6月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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