戦後日本で大衆の心性をつかみ、最高視聴率50.5%のお化け番組「8時だョ!全員集合」を生んだザ・ドリフターズ。本書は演劇研究者の著者が、これまでなされなかったという「ドリフを歴史的に位置づけ、全体像を描き出そうという試み」に挑んだ異色作。
いかりや長介を家長に、チームワークの笑いを追求したメンバーらの軌跡を、その時代とともにたどり、「日本人にとってドリフとは何だったか」に迫る。
演劇史から音楽史、テレビ史、お笑い史、さらにいかりやと志村けんの「愛憎」までアプローチは多角的で読み応えたっぷりだ。(文春新書・968円)
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2022年6月19日 掲載
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