『世界と日本を目覚めさせたウクライナの「覚悟」』倉井高志著
[レビュアー] 産経新聞社
ウクライナ大使を2021年10月まで約3年務めた元外交官が、ロシアのウクライナ侵攻を論評。真の目的は「支配下に置く」ことだと指摘し、多角的に分析した。
ロシアは北大西洋条約機構(NATO)拡大を脅威とするが、NATOはウクライナを加盟させる意思がないという。ウクライナがネオナチ政権だという主張には「あまりに荒唐無稽」と手厳しい。
抵抗するウクライナが「力には力で対抗するしかない」という事実を教えてくれたとも指摘する。ロシアの「北海道に対する関心」について注意喚起も行い、人ごとではないと気づかせてくれる一冊。(PHP研究所・1760円)