『マイ修行映画』
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『マイ修行映画』みうらじゅん著
[レビュアー] 産経新聞社
映画館で予告編を見ながら、「こんな映画、一体誰が見るの?」と思ったことはないだろうか。このエッセーを読めば、そう思うこと自体が自らの可能性を狭めていたことに気づくはずだ。
著者は「自分に向いていない映画」を鑑賞し、「つまらな…」が出そうになった瞬間に「そこがいいんじゃない!」と唱える。ほぼ還暦の男性が劇場で『映画 ビリギャル』をみてボロ泣きする光景を想像してみてほしい。映画館は、道場でもあると著者は説く。『007』から青春もの、パニック系にホラーまで、あらゆる映画に見どころを発見する姿は、ほぼほぼ求道者だ。(文芸春秋・1650円)