スマホが急速に普及し、日本人の多くが交流サイト(SNS)を利用し始めた平成末以降、社会の「可視化」が進んだと元歴史学者で気鋭の評論家が指摘する。人々は従来なら内心に秘めていた政治信条や属性までSNSのプロフィル欄に記し、その発言の反響数もカウントされるなど、データ化、数値化が人間関係にもおよび、社会は技術的に操作可能なものとみなされるようになった。
だが、見える指標にとらわれすぎた社会は、きわめてストレスフルで不安定ではないか。現代の「当たり前」を疑う問題提起の書。(PHP新書・1056円)
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2022年7月9日 掲載
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