【気になる!】文庫『日本古典風俗辞典』
[レビュアー] 産経新聞社
貴族や武家の儀礼、近世町人の暮らしを、図版と写真を用いて解説した辞典。昭和53年刊行の『有職(ゆうそく)故実 日本の古典』を再編集した。小説や漫画作品を誰もがインターネットで発表できる今なら、歴史・時代ものを創作する際の参考資料として役立ちそうだ。
『古事記』に記述された古墳時代の男子の髪形「美豆良(みづら)」の結い方は。『枕草子』『源氏物語』に出てくる平安貴族の調度品はどう使うのか。時代小説でおなじみの遊女のランクは、時代とともにどう変わったか。古典を読む際のお供としても役に立つ。(室伏信助・小林祥次郎・武田友宏・鈴木真弓著、角川ソフィア文庫・1496円)