食品会社でレトルトカレーの営業をしていた祖父と、孫の「僕」。同居することになった2人をカレーライスがつなぐ。
祖父は離婚して3人の娘を育てたが、むやみに大きな声を出し、男らしさにこだわるため、娘たちから疎まれている。現代の価値観で育った僕と祖父の間には溝があり、容易に埋まらない。そんなとき、僕は祖父が抱える秘密に触れてしまい…。
世代と価値観の違いをどう乗り越えるか。かみ合わなくても、向き合ったからこそ、相手に対する理解が生まれる。現代的なテーマを盛り込んだ、温かな家族小説。(実業之日本社・1760円)
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2022年8月21日 掲載
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