“父”という存在が描き出す、心に刻まれる物語。「”父”小説5選」

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“父”という存在が描き出す、心に刻まれる物語。「“父”小説5選」

[レビュアー] カドブン

6月19日は「父の日」!!
今回は父の日に贈りたい! “父”をテーマとした作品の中から、5つの名作小説をご紹介します。
決して完ぺきではないけれどどこか羨ましく思える親子関係や時に鬱陶しいほどに熱い父の愛を堪能できる”父小説”。
今年の父の日は小説を読みつつ”お父さん”に思いをはせてみるのはいかがでしょうか。

■お父さんのことが大好きなあなたにも、ちょっと距離を感じているあなたにもおすすめの 「父小説5選」

■重松清『とんび』(角川文庫刊)

"父"という存在が描き出す、心に刻まれる物語。「"父"小説5選」
“父”という存在が描き出す、心に刻まれる物語。「”父”小説5選」

父親は、悲しみを飲み込んでいく海になれ──

昭和三十七年、ヤスさんは生涯最高の喜びに包まれていた。愛妻の美佐子さんとのあいだに待望の長男アキラが誕生し、家族三人の幸せを噛みしめる日々。しかしその団らんは、突然の悲劇によって奪われてしまう──。アキラへの愛あまって、時に暴走し時に途方に暮れるヤスさん。我が子の幸せだけをひたむきに願い続けた不器用な父親の姿を通して、いつの世も変わることのない不滅の情を描く。魂ふるえる、父と息子の物語。

(あらすじ:BOOK☆WALKERより引用)
詳細はこちら⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/201101000078/

■伊坂幸太郎『オー!ファーザー』(新潮文庫刊)

"父"という存在が描き出す、心に刻まれる物語。「"父"小説5選」
“父”という存在が描き出す、心に刻まれる物語。「”父”小説5選」

俺たちはいつだって、何かの試験前にいるんだ。人生は試験の連続だ。

父親が四人いる!? 高校生の由紀夫を守る四銃士は、ギャンブル好きに女好き、博学卓識、スポーツ万能。個性溢れる父×4に囲まれ、息子が遭遇するは、事件、事件、事件──。知事選挙、不登校の野球部員、盗まれた鞄と心中の遺体。多声的な会話、思想、行動が一つの像を結ぶとき、思いもよらぬ物語が、あなたの眼前に姿を現す。伊坂ワールド第一期を締め括る、面白さ400%の長篇小説。

(あらすじ:BOOK☆WALKERより引用)

■朝井まかて『ボタニカ』(祥伝社刊)

"父"という存在が描き出す、心に刻まれる物語。「"父"小説5選」
“父”という存在が描き出す、心に刻まれる物語。「”父”小説5選」

日本植物学の父、牧野富太郎。愛すべき天才の情熱と波乱の生涯!

「おまんの、まことの名ぁを知りたい」
明治初期の土佐・佐川の山中に、草花に話しかける少年がいた。名は牧野富太郎。
小学校中退ながらも独学で植物研究に没頭した富太郎は、「日本人の手で、日本の植物相(フロラ)を明らかにする」ことを志し、上京。
東京大学理学部植物学教室に出入りを許されて、新種の発見、研究雑誌の刊行など目覚ましい成果を上げるも、突如として大学を出入り禁止に。
私財を惜しみなく注ぎ込んで研究を継続するが、気がつけば莫大な借金に身動きが取れなくなっていた……。
貧苦にめげず、恋女房を支えに、不屈の魂で知の種(ボタニカ)を究め続けた稀代の植物学者を描く、感動の長編小説。

(あらすじ:BOOK☆WALKERより引用)

■今村夏子『父と私の桜尾通り商店街』(角川文庫刊)

"父"という存在が描き出す、心に刻まれる物語。「"父"小説5選」
“父”という存在が描き出す、心に刻まれる物語。「”父”小説5選」

違和感を抱えて生きるすべての人へ。不器用な「私たち」の物語。

平凡な日常は二転三転して驚きの結末へ。
尾通り商店街の外れでパン屋を営む父と、娘の「私」。
うまく立ち回ることがきず、商店街の人々からつまはじきにされていた二人だが、「私」がコッペパンをサンドイッチにして並べはじめたことで予想外の評判を呼んでしまい……。(「父と私の桜尾通り商店街」)
日常から外れていく不穏とユーモア。今村ワールド全開の作品集!

(あらすじ:BOOK☆WALKERより引用)
詳細はこちら⇒ https://www.kadokawa.co.jp/product/322106000367/

■門井慶喜『銀河鉄道の父』(講談社文庫刊)

"父"という存在が描き出す、心に刻まれる物語。「"父"小説5選」
“父”という存在が描き出す、心に刻まれる物語。「”父”小説5選」

天才・宮沢賢治を、父の目線から描いた究極の一冊。

『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』など数多くの傑作を残してきた宮沢賢治。
清貧なイメージで知られる彼だが、その父・政次郎の目を通して語られる彼はひと味違う。
家業の質屋は継ぎたがらず、「本を買いたい」「製飴工場をつくってみたい」など理由をつけては、政次郎に金を無心する始末。
普通の父親なら、愛想を尽かしてしまうところ。
しかし、そんなドラ息子の賢治でも、政次郎は愛想を尽かさずに、ただ見守り続ける。
その裏には、厳しくも優しい“父の愛”があった。やがて、賢治は作家としての活動を始めていくことになるが――。

(あらすじ:BOOK☆WALKERより引用)

KADOKAWA カドブン
2022年06月14日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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