経済安全保障の課題である量子コンピュータは、世界最速級のスパコンでも数万~数億年かかる計算を数分でやり遂げるという。
金融や物流、軍事など幅広い分野に革新を起こす一方、従来の暗号技術が破られる懸念もある。実用化されれば世界を変えると期待され、巨額の投資対象となっている。本書は、その実現可能性を検証している。
日本の研究費推計が米英中豪に比べ少ないことに驚いたが、最近は日本も巻き返しているそうだ。技術だけでなく、産業界や各国政府の動向も交えながら現状を解説しているので、読み物として面白い。(講談社現代新書・924円)
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2022年8月28日 掲載
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