『「ゴキブリ嫌い」だったけど ゴキブリ研究はじめました』柳澤静磨著(イースト・プレス)

レビュー

1
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ゴキブリ研究はじめました

『ゴキブリ研究はじめました』

著者
柳澤静磨 [著]
出版社
イースト・プレス
ジャンル
自然科学/生物学
ISBN
9784781620954
発売日
2022/07/07
価格
1,650円(税込)

書籍情報:openBD

『「ゴキブリ嫌い」だったけど ゴキブリ研究はじめました』柳澤静磨著(イースト・プレス)

[レビュアー] 鵜飼哲夫(読売新聞編集委員)

 性差よりも個人差が大きい、だから、男らしくとか女らしくという表現はおかしいと主張する人々も、ゴキブリ相手となると、「キャー、ゴキブリ!」とステレオタイプな反応をしがちである。――だってあの黒っぽくてテカテカした油虫でしょ――。

 この見方がすでに偏見なのだ。ゴキブリ嫌いだったのに、静岡県の昆虫館で働くうちG党(ジャイアンツファンではありません)となり、新種も発見した著者によると、世界を見渡せば、緑のバナナのような色をしたGや黒地に赤い模様のあるテントウムシのようなGなど様々で、緑銅色の金属光沢が美しいニジイロゴキブリもいるという。つかむと青リンゴのような匂いの液体を出すGもいるというから多様さはものすごい。

 しかも、ゴキブリは落ち葉や動物のフンを分解する、森の新陳代謝にも役立つ昆虫で、生態系にとって欠かせない一員である。

 エサを求めてワラワラ集まってくるさまが「かわいい」という意見の説得力は?だが、ホイホイ入るミニ知識が面白く、ゴキちゃんが素敵に見えてくる……かもしれない。

読売新聞
2022年9月2日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

  • このエントリーをはてなブックマークに追加