『フィンランド 虚像の森』
- 著者
- ペッカ・ユンッティ [著]/アンナ・ルオホネン [著]/イェンニ・ライナ [著]/田中淳夫 [監修]/アンッシ・ヨキランタ [写真]/上山美保子 [訳]
- 出版社
- 新泉社
- ISBN
- 9784787722041
- 発売日
- 2022/08/24
- 価格
- 3,520円(税込)
書籍情報:openBD
『フィンランド 虚像の森』アンッシ・ヨキランタほか著、田中淳夫監訳、上山美保子訳
[レビュアー] 産経新聞社
森と湖の国フィンランド。衰退著しい日本の林業関係者から理想化されることも多い森林大国だが、その資源管理の実態は持続可能なものとはいえず、森の荒廃も進んでいた。同国の若手ジャーナリストらが現場取材で告発する。
転機は第二次大戦後、ソ連が要求する膨大な賠償金の原資として行われた大量伐採だった。現在のフィンランドの森のほとんどは戦後の人工林だ。皆伐(かいばつ)と一斉造林を繰り返すうちに生物多様性は失われ、森林環境も大幅に悪化して持続性が怪しくなっている。同国はこの事態にどう対処しているのか。日本の森へのヒントも詰まった一冊。(新泉社・3520円)