絵を描くことは好きだが周囲の人と折り合えない少女が、挫折や偏見を乗り越えながら、女装を望む男性のためのメークアップアーティストへと成長し、脚光を浴びるまでの半生をつづった。
著者は大阪の美術系高校を卒業後、自立のためメークの専門学校に進む。アルバイトに明け暮れるが、イラストレーターへの夢も忘れられない。そんなある日、知人の男性から「友人たちを笑わせたい」と女装メークを依頼される。
笑顔になった人たちに触れ、見つけた居場所。偏見もある女装という世界を支える姿に、人と違うことは素晴らしいと気付かされる。(桜山社・1870円)
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2022年9月4日 掲載
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