『マテウシュ・ウルバノヴィチ お蔵出し2010‐2021』マテウシュ・ウルバノヴィチ著(エムディエヌコーポレーション)

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マテウシュ・ウルバノヴィチ お蔵出し 2010-2021

『マテウシュ・ウルバノヴィチ お蔵出し 2010-2021』

出版社
エムディエヌコーポレーション
ジャンル
芸術・生活/絵画・彫刻
ISBN
9784295203520
発売日
2022/08/22
価格
2,530円(税込)

書籍情報:openBD

『マテウシュ・ウルバノヴィチ お蔵出し2010‐2021』マテウシュ・ウルバノヴィチ著(エムディエヌコーポレーション)

[レビュアー] 読売新聞

 牛丼チェーンの店内から見える道路の向こうのコンビニエンスストア。「普通」は描こうと思わないし、描いたところで美しくなるとは思いがたい題材だ。だが、この人の手にかかると、奇跡の一瞬を切り取った一枚へと昇華する。

 私たち日本人が「ありふれた光景」と思っているものが、実は美を秘めていると外国人に指摘されることは、しばしばある。この本もその好例だ。著者はポーランド出身で、現在は日本に住みながら、アニメやイラストなど様々な分野で活躍するアーティスト。この10年余りに描きためたイラストをまとめた。

 日本庭園や寺院なども描かれているが、より引きつけられるのは「どこにでもありそうな」町並みの絵だ。家に帰る道すがら、酒屋が遅くまでやっていたという。その光景の何と叙情的なことか。見落としていたことを恥じつつも、見つけてくれたことに感謝したくなる、そんな一冊。(十)

読売新聞
2022年9月16日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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