<東北の本棚>盛岡の文化拠点を特集

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CAFEモンタン

『CAFEモンタン』

著者
平澤広 [著]
出版社
杜陵高速印刷
ISBN
9784887811423
発売日
2022/03/31
価格
2,750円(税込)

書籍情報:openBD

<東北の本棚>盛岡の文化拠点を特集

[レビュアー] 河北新報

 花巻市の萬鉄五郎記念美術館が、2021年12月~22年4月にかけて開催した企画展「CAFÉ モンタン-展」の図録である。

 「CAFÉ モンタン」は、同市出身の小瀬川了平が、東京大文学部中退後の1959(昭和34)年、盛岡市の大通裏に開いた画廊兼スナックだ。東京や地元で活躍する芸術家の展覧会を次々と開催したほか、新譜ジャズのレコード・コンサートを毎月開くなど、芸術文化のコミュニティーとして活況を呈した。

 本書は、モンタンが主催・企画した展覧会やプロジェクトをはじめ、直接、間接的に関わった作品や資料で構成する。単なる企画展の図録の枠にとどまらず、関係者が語るモンタンの思い出や当時の盛岡の街の雰囲気、店に集う人々の様子が、豊富な写真資料とともに語られる。

 中でも異色は、66(昭和41)年開催の「モンタンに行ってワーゲンをもらおう!!」と題したイベント。車を景品とした一大キャンペーンは、一店舗の催しを越えた、市民を巻き込む一大ムーブメントの様相を呈し、当時の興奮が立ち上がってくるようだ。

 小瀬川考案の、名物カクテル「どんカク」やスープスパゲティ「ア・ラ・モンタン」も紹介している。(三)
   ◇
 杜陵高速印刷出版部019(651)2110=2750円。

河北新報
2022年9月18日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

河北新報社

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