スペインでフランコ総統独裁下の1973年に起きた、反フランコ武装組織「ETA(バスク祖国と自由)」によるカレロ・ブランコ首相暗殺事件の真相に迫る力作。
このテロこそ、激動のスペイン現代史が独裁から民主化へと動き出す転換点だった。舞台裏での米国の暗躍ぶりも読ませどころだ。
著者はNHKの元報道局国際部長で、スペイン語圏を中心に長く特派員として活躍した。
国際社会から独裁者と非難されているロシアのプーチン大統領がウクライナ侵略を続ける今、自由と民主主義獲得のための代価がいかに多大な犠牲を伴うか、教えられる。(三冬社・1430円)
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2022年9月18日 掲載
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