ひとりでできないこと、不可能を可能にする「ジョイント思考」でビジネスが加速する理由

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ひとりでできないこと、不可能を可能にする「ジョイント思考」でビジネスが加速する理由

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

成功し続けている人がやっている ジョイント思考』(佐藤文昭、小島幹登 著、あさ出版)のタイトルにある「ジョイント」とは、簡単にいえば部品と部品をつなぐこと。

それをタイトルにしたことには、大きな理由があるようです。ふたりの著者はそれぞれの力を「ジョイント」させたことによってどん底の状態から這い上がり、結果的には50社以上の会社を経営できるようにまでなったというのです。

とはいえ、最初から順風満帆だったわけではなかった様子。なにしろ佐藤氏は最初に事業に失敗し、2000万円の借金を抱えたマイナスからのスタート。もうひとりの小島氏も30社以上の転職を繰り返し、希望を失っていた状態からのスタートだったというのですから。いわばマイナスからの再出発で、しかし結果的には「ジョイント思考」によって成功を収めることができたというわけです。

私たちが「ジョイント(思考)」を始めたのは10年以上前のことです。

お金もない(それどころかマイナス)、人脈もない、専門家でもない私たちは、お互い一人では何もできませんでした。

しかし、二人でジョイントしたことで、何種類ものビジネスを起こして財産を得ることができ、充実した日々を手に入れることができたのです。(「はじめに」より)

著者が「ジョイントは、まさしく不可能を可能にする」と断言しているのは、そんな実績があるから。そして本書では、ジョイントするための思考法を明らかにしているのです。

きょうはそのなかから、第2章「人×人が可能性を広げる ビジネス成功に欠かせない『人』のこと」に焦点を当ててみたいと思います。

ビジネスは人間関係がすべて

ビジネスで成功をつかむのは、人とのつきあいをしっかり行う、コミュニケーション上手な人。それは、対面の機会が少ないネットビジネスにおいても同じ。

著者はそう断じています。なお、この点において見逃すべきでない重要なポイントは、「お金を払ってくれるのは、感情や個性をもった生身の人間だということ。

どんなビジネスも、人とのコミュニケーションを通して成り立っているもの。違いは、対面なのか、電話を通してなのか、ネット上で行うのかということだけ。

ネットビジネスの場合、サイト、LINE、メールなどの電子媒体が主なやりとりの場になるため、お客さまと直接会うことはほぼないでしょう。だからこそ、対面よりさらにもっと細心の注意を払ってお客さまに接していくべきです。(59ページより)

サイトやメールは思っている以上に、販売者側の人間性が丸見えになってしまうもの。事実、「サイトの文言がいやな感じだから買うのをやめた」「メールの文章が機械的だったからキャンセルしたというようなケースは珍しくありません。

PCもネットも隠れ蓑にはならないからこそ、「人に興味を持ち、人を知り、人に好かれる」ことこそがビジネスの鉄則なのだということです。

そして、この鉄則を理解したうえでインターネットを活用すると、爆発的に稼ぐことができるそう。ネットビジネスにおいて、人とのコミュニケーションの取り方は成功の大切な要素だというのです。

なお、ネットビジネスで人と関わる場面は大きく分けて2つあるといいます。

1 外側=お客さまとの関わり(あなたが商品・サービスを提供する相手)

2 内側=ビジネスを作る関係者との関わり(あなたの商品・サービスを用意するための関連業者・仕入相手)

(60ページより)

どちらもビジネスを成り立たせるためには不可欠な存在であるからこそ、人とのつきあいはネットにおいても大事にすべきだということです。(58ページより)

与え合うことでうまくいく

著者は、ビジネス活動は恋愛に似ていると述べています。

「恋」は、相手に何かを望んでいる状態。常に相手に「欲しい、欲しい」と望んでいるので、相手から与えられなくなると、心が離れていきます。

「愛」は、相手に何も望んでおらず、逆に自分が相手に与えている状態。相手に愛を与え続けながらも、相手からの見返りを望みません。だから、男女においてお互いに愛を与え合う二人は、永遠に幸せで良好な関係を続けられます。

実は、ビジネスの売り手と買い手の関係も、これと同じです。(76ページより)

ビジネスの場合、商品・サービスの提供はお金をいただくことで成立するため、一方的に与え続けることはありません。

しかし、「予想を超えて多くのものを自分に与えてくれるな」と感じたとき、お客さまはファンになってくれるわけです。そしてファンが増えれば、ビジネスは好循環に転換していくことになります。

私たち二人がジョイントで事業を始めたとき、「これはきっとうまくいくな」という感触がありました。

お互いが競いあって与える(=ギブする)関係になっていたからです。

まさにジョイントの関係ですね。(77ページより)

なにか取り決めをしたわけではなかったものの、対等にやろうという自然な了解が最初からあったのだとか。そして実際、お互いに相手にはなにも求めていないといいます。ただ、その関係性を楽しみ、できることをせいいっぱい提供していくことにしたというわけです。

見逃すべきでないのは、売り手がそのような気持ちで仕事を進めていると、販売ページやプロモーションなど、何らかの手段を通じてお客さまにも伝わるということ。そうすれば当然ながら売り上げにも直結するでしょうし、徐々に結果が出るようになるのです。したがって、「求めず、与え合う」ことこそがビジネスにも当てはまる黄金律なのだと著者は主張しています。

先にギブする人は、その数倍以上のものを

受け取ることになっています。

これこそが、ジョイントの力です。(80ページより)

これは、頭にとどめておいて損のない考え方かもしれません。(76ページより)

冒頭でも触れたように、本書の根底にあるのは、ふたりの著者が10数年間に積み上げてきた経験。思考法としての説得力を感じさせるのは、そのせいなのかもしれません。いま自分が持っている力をさらに活かせるようになるために、参考にしてみてはいかがでしょうか?

Source: あさ出版

メディアジーン lifehacker
2022年9月20日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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