『てらこや青義堂 師匠、走る』
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【気になる!】文庫『てらこや青義堂 師匠、走る』今村翔吾著
[レビュアー] 産経新聞社
著者が直木賞を受賞する前の平成31年に刊行された青春時代小説の文庫化。
天下泰平の江戸で坂入十蔵が営む寺子屋には、どの寺子屋でも匙(さじ)を投げられた者が入塾してくる。頑固者、浪費癖、あがり症…。個性的な筆子(生徒)が起こすトラブルに巻き込まれながらも、彼らに寄り添う十蔵だが、実は公儀隠密だったという過去がある。
筆子の伊勢参りに付き添う十蔵に、将軍暗殺を企てる忍びの一団に関する知らせが届き―。手に汗を握る冒険に師弟の絆、親子の愛憎、夫婦愛、復讐(ふくしゅう)劇とエンターテインメントの要素が盛りだくさん。(小学館文庫・902円)