江戸料理研究の第一人者(故人)が全国建設業協会の機関誌に連載していたものを中心に書籍化。食文化史研究家の飯野亮一氏が監修した。正月のおせちから年末の年越しそばまで、江戸時代の豊かな食材と食文化を紹介している。
11代将軍・徳川家斉が浜御殿を訪れたときの献立の記録や、『料理早指南』(1801年)に記載された豪華な花見弁当の、手の込んだ品々に驚かされる。
別の文献によると、江戸・京都・大坂では麦飯を用いることがあっても、多くは養生やとろろ汁をかけて食べるためで、倹約目的ではなかったそうだ。(ちくま学芸文庫・1430円)
-
2022年10月9日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです