【児童書】『わすれないでね ずっと だいすき』

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【児童書】『わすれないでね ずっと だいすき』

[レビュアー] 産経新聞社

5歳の男の子が、おばあちゃんの家を訪ねる。訪問を喜ぶおばあちゃんだが、今日が何の日かも、お菓子をどこに置いたかも覚えていない。「おかしいわね。わたし、5さいのときのことをおぼえているのに、5ふんまえのことはおぼえてないの」

大好きな孫の顔さえ忘れてしまったことに気づいたおばあちゃんは深く悲しむが、男の子は優しく寄り添う。僕のことを好きというだけで十分、と。怒らず焦らず、本人のぺースに合わせる。認知症家族への接し方のヒントが詰まった英国の絵本。(ジーン・ウィリス文、ラケル・カタリナ絵、前田まゆみ訳、筧裕介監修/小学館・1760円)

産経新聞
2022年10月16日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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