本好きの間で口コミが止まらない秘密とは――人と物語を再生する『ミュゲ書房』、著者による読者へのインタビュー!

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ミュゲ書房

『ミュゲ書房』

著者
伊藤 調 [著]/くじょう [イラスト]
出版社
KADOKAWA
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784041110508
発売日
2021/03/17
価格
1,430円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

本好きの間で口コミが止まらない秘密とは――人と物語を再生する『ミュゲ書房』、著者による読者へのインタビュー!

[文] カドブン

今、本好きの間で静かに口コミが広がっている作品をご存じでしょうか。
伊藤調『ミュゲ書房』(KADOKAWA)。Web小説家の才能を潰してしまい挫折した編集者・宮本章が、祖父の営んでいた書店「ミュゲ書房」を継ぐ物語です。誰よりも本に詳しい女子高生・永瀬桃ら、ミュゲ書房に集まる人々との出会い。そして彼のもとに持ち込まれた書籍編集の仕事を通して、本づくりの情熱が再生されてゆく姿に、感動と共感の声が続々届いています。本好きがレビューを投稿できるコミュニティサイト「読書メーター」では『ミュゲ書房』の話題が広がり続け、「この本をこの方に読んでほしい」と指名するおすすめリレーキャンペーンも実施されました。
一体何が、本好きのハートをくすぐるのか? 口コミが広がる魅力の秘密を探りたく、今回は特別に著者の伊藤調さんから読書メーターレビュアーのみなさんに、メールインタビューを敢行しました。(敬称略)

本好きの間で口コミが止まらない秘密とは――人と物語を再生する『ミュゲ書房』...
本好きの間で口コミが止まらない秘密とは――人と物語を再生する『ミュゲ書房』…

■『ミュゲ書房』読者インタビュー

――伊藤調:まる子さまはコメント欄で、「私も予定にない本に出会えたり。ミュゲ書房もそのうちの1冊でした。」と書かれています。『ミュゲ書房』と出会ったきっかけや、読んでみようと思った理由を教えていただけますか?

まる子:『ミュゲ書房』を読むきっかけは書店での出会いでした。北海道で学校司書をしています。仕事がらもありますが、タイトルの「書房」、帯の「編集者の仕事」「北海道の書店」の言葉が気になったと同時に、カバーイラストが良かったので手に取りました。学校図書館で子どもたちに様々な本と出会って欲しいという思いと、日頃から出版社の受賞(新人賞が多め)の本をチェックし、新たな作家さんを発掘するのも好きで、この作品は「カクヨム書籍化作品」の文字が購入の決定打となりました。新たな読者がこの本と出会える事を願っています。学校図書館にも『ミュゲ書房』を入れました。

――伊藤調:おすすめリレーキャンペーンで読み、その後さらに紙版をご購入予定とのこと、大変ありがとうございます。書店員でいらっしゃるとのこと、お客様に対して『ミュゲ書房』の魅力を伝える場合、どんな感じになるでしょうか?

Shio:電子書籍で堪能させていただいたのですが、作中の作品が一冊の本として仕上がるまでの過程がとても興味深く、込められた想いに感動しました。この本も実際に手に取って、装幀を味わい、もう一度読み返したくなりました。紙の本だからこその、この高揚! 圧倒的な愛おしさ! お客様にもぜひ感じていただきたいと思います!

――伊藤調:読書メーター以外の場所でも「ミュゲ友」さんの輪が広がっているとのお知らせをいただき、大変嬉しかったです。ありがとうございました。Karlさんが本書を推してくださる一番の理由は、どんなところでしょうか?

Karl Heintz Schneider:表紙絵の美しさ、「ミュゲ書房」というタイトル、そして引き込まれるようなストーリー展開、どれもこれも群を抜いて素晴らしかったのですが、一番の要因は著者の人柄ではないでしょうか。読書メーターの感想文に何度も丁寧なコメントを下さいました。こんな気さくな作家さん私は他に知りません。そのことをブログに書いたらまたそれについてもコメントをいただきました。これを見たブログのフォロワーさんたちがこぞってこの本を読み、ブログを書いてくださいました。そのことについても著者はコメントを下さいました。そのことをお知らせするとみなさん大変喜んでくださいました。そしてまた他の方がブログを。私はこれを「ミュゲの輪」と名付けました。記事を書いてくださった方は「ミュゲ友」です。私はこの作品を通して多くの方と交流を持つことができました。それは本好きな私にとって忘れることのできない経験でした。このことが、私が本書を推す最大の理由です。

――伊藤調:おすすめリレーキャンペーンで読んだものの、誰からのプレゼントかはわからなかった、とのこと。先入観なしで『ミュゲ書房』を読んでいただいたと想像しています。読む前に表紙から受けた印象と、実際の内容は同じでしたか? 違いがありましたか?

Sg:先入観ゼロ過ぎて、逆にゴメンなさいの低頭スタイル。普段なら手に取らない表紙スタイル。そんな俺を裏切る内容で俺はスマイル。で、要は普段の俺みたいなボンクラなら表紙の眩しさで選択しないかもしれないんです。嫌な事言ってますね俺。いまだにサンタの正体わからず、しかし、本当に運命。不思議とお話を読めば表紙の魅力も伝わってくる。何故か・・・それはやっぱりお話自体が面白く世界に入っちまう、伊藤さんあなたの作家力の賜物。俺の意見聞く暇あるならば、伊藤ワールドを俺をもっと堪能させて下さい!表紙が真っ白だろうが、真っ黒だろうが、作家力がカラフルな伊藤ワールドは最高です。表紙作ってくれた方申し訳ありませんでした。

――伊藤調:「読みたいと思っていたところに、読み友さんからリレーキャンペーンで電子版をいただいた!」とのこと、タイミングが合って良かったです! 「本を作り売ることは、携わる多くの人の思いの仕事の結集であることを改めて感じる」と書いていただきましたが、本造りにおいて、想像とは違っていたり、知らなくておもしろいと思ったりした部分はありますか?

れっつ:出版社側から、作者の意図や結末が大きく変わってしまうような改稿を要求されることがあるのは、想像してませんでした。読みながら”それはないわー”と、広川蒼汰と章さんの絶望と苦悩を思いました。また、『A市再生プロジェクト』に、地元の名士・山田副市長さんの、自伝用の文章を組み入れて共著にした点は面白かった。どちらも章さんが関わり、ミュゲ書房から出版するからこそできた画期的な相乗効果だなぁと思いました。

――伊藤調:読書メーターのレビューに加え、勤務先の図書館でも『ミュゲ書房』をお勧めしてくださったとのこと、「ミュゲの輪」(この言葉もとても嬉しいです)を広げて頂き、大変ありがとうございます。Kayoさまが本作をお勧めする場合、特にどの部分を本作の魅力としてお伝えされていますか?

Kayo:手に取ったのは正に直感。本に呼ばれたような感覚でした。読書を趣味とし、仕事として利用者に本を提供する身として、作品が出版され読者の手に届くのは容易ではないことを作中の新人作家の広川蒼汰を通して改めて知ることができました。費やされる労苦と時間の甚だしさ。作家が著すものがそのまま頁に刷られると思ったら大間違いで、推敲に次ぐ推敲、作家の意向が果たして100%残るのかと思われる世界。そこをくぐり抜けて世に出た本作、作中では広川蒼汰の『リベンジ』が面白くないはずがありません。主人公が継いだ地方の小さな書店がこれまた魅力的で、物語を楽しむと同時に、架空のこのお店が実在するごとく応援してしまう臨場感も味わえました。近く再読し、勤務先での秋の催しにて「一押し本」として紹介させていただき、ミュゲの輪を更に更に広げたいと思っております。

いかがでしょうか。興味をひかれた方は是非、ミュゲの輪に加わってみては。

■YouTube ASMR企画

サウンドクリエイター xxxJunaJunaxxxさんによって、ミュゲ書房の環境音がASMRで再現。イラストレーターのくじょうさんによる、描き下ろしのミュゲ書房店内イラストとともに、YouTubeで公開中。
https://www.youtube.com/watch?v=b6Jn2JYqK2A

■イラストレーター・くじょうさんによる紹介漫画も

詳しくはこちら
https://www.kadokawa.co.jp/product/322010000394/

■作品紹介

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本好きの間で口コミが止まらない秘密とは――人と物語を再生する『ミュゲ書房』…

ミュゲ書房
著者 伊藤 調
装画 くじょう
定価: 1,430円(本体1,300円+税)
発売日:2021年03月17日

そこは、人も物語も再生する本屋さん
小説編集の仕事をビジネスと割り切れない、若手編集者の宮本章は、新人作家・広川蒼汰の作品を書籍化できず、責任を感じ退職する。ちょうどその頃、北海道で書店を経営していた祖父が亡くなり、章はその大正時代の洋館を改装した書店・ミュゲ書房をなりゆきで継ぐことに……。
失意の章は、本に関する膨大な知識を持つ高校生・永瀬桃ら、ミュゲ書房に集まる人々との出会いの中で、さらに彼のもとに持ち込まれた二つの書籍編集の仕事の中で、次第に本づくりの情熱を取り戻していく。そして彼が潰してしまった作家・広川蒼汰は――。

挫折を味わった編集者は書店主となり、そしてまた編集者として再起する。本に携わる人々と、彼らの想いを描いたお仕事エンターテインメント。
詳細:https://www.kadokawa.co.jp/product/322010000394/

KADOKAWA カドブン
2022年10月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

KADOKAWA

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