「もうじきたべられるぼく」はせがわゆうじ作(中央公論新社)

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もうじきたべられるぼく

『もうじきたべられるぼく』

著者
はせがわゆうじ [著]
出版社
中央公論新社
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784120055591
発売日
2022/08/09
価格
1,540円(税込)

書籍情報:openBD

「もうじきたべられるぼく」はせがわゆうじ作(中央公論新社)

[レビュアー] 堀川惠子(ノンフィクション作家)

 ぼくはうしだから もうじき たべられるのだそうだ

 こんな切ないつぶやきから始まる、牛さんの絵本です。最後にひと目だけおかあさんに会いたい、牛さんはなつかしいふるさとへと向かいます。

 「いただきます」と「ごちそうさま」。その向こう側にある、「さようなら」の物語。あわい色彩、クレヨンのようなやわらかなタッチが胸にじんわり沁(し)みいります。

 絵本を読んだ、小学2年の甥(おい)っ子の話を聞きました。彼は牛肉をさけて、鳥肉を食べるようになったそう。色んな動物たちの命によって、私たち人間は生かされている。「かわいそう」だけでなく感謝の気持ちを育むのは、絵本のそばにいる大人の仕事かもしれません。

 物語はまず動画サイトで公開され、話題をよびました。のぞいて気づきました。紙の絵本と比べると、だいじな部分が違っています。動画と絵本、伝わり方はどう変わるのか、大人にとっても興味深い一冊です。

読売新聞
2022年10月28日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

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