『スパコン富岳の挑戦 GAFAなき日本の戦い方』
書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます
【気になる!】新書『スパコン富岳の挑戦』松岡聡著
[レビュアー] 産経新聞社
日本のスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」の開発を指揮した著者が書くスパコン研究の最前線が興味深い。
2010年代以降、米中の民間企業がスパコン開発に乗り出し、国家プロジェクト並みの額を投資。GAFAと呼ばれる米国の巨大IT企業が、日本の研究者を引き抜いているという。
著者は、GAFAなき日本が世界でどう戦うべきかを提言。富岳の開発秘話や先代の「京(けい)」との違い、京が平成21年に当時の民主党政権の事業仕分けで「2位じゃ駄目なんでしょうか」と追及され、開発凍結の危機に見舞われたときのエピソードも盛り込んでいる。(文春新書・1210円)