モヤモヤ瞬時にスッキリ!体と気持ちの「3秒リセット」術

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もやだるさんのリセットスイッチ

『もやだるさんのリセットスイッチ』

著者
伊藤東凌 [著]
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン
ISBN
9784799329047
発売日
2022/11/18
価格
1,540円(税込)

モヤモヤ瞬時にスッキリ!体と気持ちの「3秒リセット」術

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

もやだるさんのリセットスイッチ』(伊藤東凌 著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)は、京都にある両足院(りょうそくいん)というお寺の副住職による最新刊。前著『月曜瞑想』(アスコム)もご紹介したことがあるので、記憶に残っている方もいらっしゃるかもしれません。

なお、今回のテーマは「もやだるさん」だそう。聞きなれない名称ですが、いったいどんな意味があるのでしょうか?

相手の反応が気になって、いつも心がもやもや、

気持ちが休まらなくて、何となく体がだるいーー。

もやもやだるーい状態から、なかなか抜け出せない、

そんな方を「もやだるさん」と名づけました。(「はじめに」より)

もやだるさんは気遣いをする「がんばり屋」なので、いろいろため込んで疲れてしまいがちなのだとか。

だとすれば、ネガティブサイクルを断ち切ることができれば晴れやかな気分になれそうです。問題は、そのためにはどうすればいいのかということ。

イラっとしたら、イラっとしたままにしておかない。

ガックリしたら、ガックリしたままにしておかない。

いったん感情をリセットして、次の感情を受け入れる。

これが、もやだるさんから抜け出すために必要なステップであり、

もやだるさんにならない方法でもあります。(「はじめに」より)

大切なのは、気持ちの切り替えを習慣化することであり、著者はそれを「リセットスイッチ」と呼んでいます。ポイントは、体を動かして五感を刺激すること。そして3秒くらいでできる簡単な動作にすることだといいます。

それら「3秒リセット」をまとめた第2章「瞬時にスッキリ!『もやだる3秒リセット』のなかから、きょうは3つのリセット法をピックアップしてみましょう。

「手拍子パチン」

一本締め、三本締め、一丁締めなど日本には宴会やイベントのお開きにみんなで手拍子を打つ「手締め」という風習があります。ここで紹介されている「手拍子パチン」も、まさにその延長線上にあるもののよう。

リセットスイッチの「手拍子パチン」は、一丁締めと同じく、パチンと1回打ち鳴らすだけです。それだけで、パチンと耳に響く音が、ネガティブに振れた感情を「今」に戻してくれます。(52ページより)

お坊さんが、坐禅をしている人の肩や背中を薄い板状の棒でパチンと打つシーンを見たことがあるのではないかと思います。

興味深いのは、「警策(けいさく)」と呼ばれるあの棒を使われるとき、お坊さんは「強く打つ」ということよりも、「しっかり音を出す」ことに気をつけているのだということ。

その結果、打たれた側は音の大きさに反応し、ネガティブな感情に覆われそうになっている心をリセットできるわけです。

「手拍子パチン」の目的もこれと同じで、つまりは自分で自分に警策を打つようなもの。しかも手拍子なら、思い切り叩けば大きな音を出すことができるわけです。(52ページより)

「壁ペタ背もたれ」

「壁ペタ背もたれ」は、手ではなく背中を使って行うリセットスイッチ。日常生活のなかで背中を意識して動く機会はあまりないだけに、逆に「背中を感じる」ことが「いま」に戻るスイッチになるというのです。

オフィスでも、部屋でも、場所はどこでもかまいませんが、壁を背にして3秒かけて背中を伸ばすだけです。立った状態でも、座った状態でもいいので、背中で壁を感じることがポイントになります。

背中に意識を集中させることで、もやだるの原因を一瞬にして遠ざけることができます。(66〜67ページより)

いうまでもなく、背中を伸ばすというのはまっすぐな姿勢の基本。ちなみに仏教には「心身一如(しんじんいちにょ)」という、「体と心はつながっている」という教えがあるのだそうです。姿勢が乱れると心も乱れ、心が乱れると姿勢も乱れると教られてきたわけです。

気落ちしたり、自信がなくなったりしているときは、肩が落ち、背中も曲がりがち。したがって、もやだるさんは一度、背中を壁に当ててみるといいかもしれないと著者は述べています。背筋が伸びると、それだけで感情がポジティブに振れるものだから。(66ページより)

「まぶたおさえ」

感情がネガティブに振れると、目にも変化が現れるもの。自分ではポーカーフェイスを装っているつもりでも、腹が立ったり、ムカついたり、ショックを受けたりすると、目が微妙に動いたり、まぶたが下りてきたりするということです。

そんなときは、手のひら全体でまぶたをやさしくおさえるだけで、「今」に戻れるスイッチになります。それが、「まぶたおさえ」。目の前で起きたことをいったん消すことで、気持ちの切り替えができるようになります。(77〜78ページより)

五感から入ってくる情報によって、感情はポジティブにもネガティブにも振れるもの。なかでも感情にもっとも影響を与えるのが、視覚からの情報なのだといいます。

なぜなら、単純に情報量が圧倒的に多いから。著者によれば、人間が受け取る情報の約8割が視覚からの情報だといわれているそう。つまり「まぶたおさえ」を行えば、その器官を強制的にシャットダウンできるというわけです。

視覚のスイッチを入れなおすと考えてもいいようですが、いずれにしても難しいことではありませんから、気軽に試してみるといいのではないでしょうか?(74ページより)

本書には、著者がさまざまな場所で伝えているリセットスイッチの話が網羅されているのだといいます。そのため参考にしてみれば、もやもやした気分から抜け出すことができそうです。

Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン

メディアジーン lifehacker
2022年11月28日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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