できる人の思考はこう違う。いつも「人のせいにしがちな人」が変わるために大切な3つのポイント

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時間最短化、成果最大化の法則

『時間最短化、成果最大化の法則』

著者
木下 勝寿 [著]
出版社
ダイヤモンド社
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784478115824
発売日
2022/11/17
価格
1,760円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

できる人の思考はこう違う。いつも「人のせいにしがちな人」が変わるために大切な3つのポイント

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

短時間でいかにして成果を上げるか、それはビジネスパーソンにとっての普遍的な課題でもあります。そのために、日々スキルを磨いている方も少なくないでしょう。

しかし、『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』(木下勝寿 著、ダイヤモンド社)の著者は、「成果はスキルだけで生まれるものではない」と断言しています。

成果=スキル×思考アルゴリズム(「プロローグ」より)

これこそが、短時間で成果を上げるための黄金法則だというのです。なお「思考アルゴリズム」とは著者による造語で、つまりは「考え方のクセ」。同じスキルでも、成果が上がる「考え方のクセ」と、上がらない「考え方のクセ」が確実に存在するのだそうです。

とはいえ「考え方のクセを変えろ」といわれても、なかなかうまくはいかないもの。考え方のクセは自覚できないものでもあり、自覚できない以上は変えられないからです。

だから、「考え方のクセ」は変えなくていい。努力して磨かなくていい。

新たにインストールすればいいのだ。

パソコンのOSのように、あなたの脳に「正しい思考アルゴリズム」をインストールすれば、誰でも短時間で成果を上げられるようになる。(「プロローグ」より)

こうした考え方に基づく本書は、著者が自身の会社で行っている「思考アルゴリズム研修」のなかから、とくに評判のよい「45の法則」をまとめたもの。1日1法則インストールすれば、約1か月半で脳は完全に書き換えられるそうです。

第3章「ノーミス人間になる思考アルゴリズム」のなかから、「人のせいにしない人に変わる この世に仕方のないことは存在しない法則」に目を向けてみましょう。

上司から評価される人、されない人の決定的な差

トラブルやミスが起きたとき、評価を下げたくないがために「自分の責任ではない」と必死に弁明する人がいるものです。

しかし、上司の責務はメンバーとともに仕事をやり遂げること。そのため、「自分の責任ではない」と熱弁するメンバーに仕事を任せたいとは思わないことでしょう。

そればかりか、「言い訳を聞かされている暇があったら、自責の念で率先して改善のために動いてくれるメンバーに頼みたい」と感じるかもしれません。上司は、「自責で改善に取り組む人」を評価するものだからです。

逆にいうと、トラブルやミスが起きたとき、自責と思っていれば評価され、成果を上げやすくなる。松下幸之助は「雨が降っても自分のせい」と言った。

この意味は「どんな出来事があっても、誰かのせいにするな。当事者意識を持て」ということだ。(179ページより)

いわば、自分の頭で考えて行動することが、成果を上げる人の王道だということです。(178ページより)

この世に仕方のないことは存在しない理由

失敗やミスの原因を説明するとき、「今回は外部要因であり、仕方なかった」「自分の責任ではない」という思考アルゴリズムの人と、「自分が◯◯すればよかった。自分の責任だ」という思考アルゴリズムの人がいると著者は指摘しています。

前者のような人は、次に想定外のことが起きたときにも同じようにミスをすることでしょう。対して後者のような人は、その事態をきっかけに「想定範囲」を広げるので、「想定外のミスが起きる確率」が減るはず。よって、大きなミスをする確率も減るのです。

たとえば大雪で電車が遅れ、遅刻したとき、前者は「電車が止まったから仕方がない」と考え、後者は「冬は毎日前日に天気予想で大雪の可能性を予測し、早めに家を出よう」と考えるわけです。

はっきり言おう。この世に本当の意味で「仕方のない」ことなど存在しない

道に迷う人は方向音痴だから迷っているのではなく、方向音痴なのに地図を持たない(スマホなどで地図を見ない)から迷っている。

ミスが多い人は、ミスの発生率が高いのではなく、チェックをしないからミスが多い。

タスクを忘れる人は、忘れっぽいからではなく、「わかるようにメモしていない」から忘れてしまう。本人は生まれ持った性格のせいにするが、実はちょっとした努力不足が犯人だ。(180〜181ページより)

だとすれば、ちょっとした努力でミスはなくなり、上司や同僚からの信頼も一段と高まることでしょう。(179ページより)

中堅・ベテランも危険! 経験がミスを生むことも

なお、経験がミスを生むこともあるといいます。そのことを解説するために、ここでは「上司が『◯◯という製品に関する情報を検索して』とAさんとBさんに依頼したケースを引き合いに出しています。

Aさんは「探したけれどありませんでした」と、Bさんは「3件の情報が見つかりました」といってきたそう。

この場合、見つけられなかったAさんは「普段から検索エンジンを使い慣れている人」で、見つけたBさんは「検索エンジンを使い慣れていない人や新人」だったというのです。つまりはこういうことのよう。

「普段から検索エンジンを使い慣れているAさん」は、検索エンジンにキーワードを入れると、検索結果の最初の5ページ以内で必要な情報にたどり着く。

それが固定観念となり、「検索結果の最初の5ページ以内で見つからないと情報はない」と判断した。

ところが、「検索エンジンを使い慣れていないBさん」はそもそもの目安がないので、5ページで見つからなければ、10ページでも20ページでも、時には検索ワードを変えながら探し続けた。すると、時間はかかっても情報を見つけられたのだ。(182ページより)

「簡単にすぐ見つかる情報」なら経験のあるAさんに頼んだ方が早いけれども、「見つけにくい情報」だと固定観念が邪魔をし、見つける能力が極端に下がってしまうということ。

人は「知識」「経験」を積むことで生まれる「思い込み」「固定観念」によって、自分の能力を封印してしまうこともあるわけです。(181ページより)

最初から読んでも、興味のあるところから拾い読みしても効果が期待できる内容になっているそう。そんな本書を活用し、脳内を再インストールしてみてはいかがでしょうか?

Source: ダイヤモンド社

メディアジーン lifehacker
2022年11月30日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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