【児童書】『ちいさいフクロウとクリスマスツリー』ジョナ・ウィンター文、ジャネット・ウィンター絵、福本友美子訳

■小さな命守るストーリー

物語の主人公は、成鳥でもわずか２０センチほどしかない、かわいらしいアメリカキンメフクロウ。そのフクロウは、米ニューヨーク州の中央に位置する自然豊かな町、オニオンタにある針葉樹、トウヒの大木の穴をすみかに、たった１羽で静かに暮らしていた。

ところが、その木がある日突然、切り倒されてしまったのである。３００キロも離れたニューヨーク市のロックフェラーセンターに運ばれ、クリスマスツリーとして飾りつけられるためだった。果たして、そこに住んでいた小さなフクロウの運命やいかに―。

一昨年の暮れに起こった実話をもとに、米国のノンフィクション絵本作家、ジョナ・ウィンターが文章を書き、同じく絵本作家の母、ジャネットが絵筆を執って小さな命を守るストーリーが紡がれた。

クリスマスのシーズンには、Ｏ・ヘンリーの短編小説「賢者の贈り物」をはじめ心温まるお話が好まれるが、こちらの本も人のぬくもりが感じられる一冊に仕上がっている。（鈴木出版・１６５０円）

正木利和

• 福本友美子
• 鈴木出版
• 正木利和
• ジャネット・ウィンター
• ちいさいフクロウとクリスマスツリー: ほんとうにあったおはなし
• ジョナ・ウィンター

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