【気になる!】新書『日本史を暴く 戦国の怪物から幕末の闇まで』磯田道史著

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【気になる!】新書『日本史を暴く 戦国の怪物から幕末の闇まで』磯田道史著

[レビュアー] 産経新聞社

織田信長の遺体は、本当に見つからなかったのか。豊臣秀頼は秀吉の実子か。教科書に記載されるような話ではないが、誰もが気になる事柄はあまたある。精力的な古文書調査で知られる歴史学者が、埋もれた史料から「歴史の裏側」をのぞきこむエッセー集。

討ち入りを果たした赤穂浪士は、主君の墓前で現代人から見れば奇妙な儀式をまず行った。今の子供に一番人気のカブトムシも、江戸初期までは他の虫と明確に区別されていなかった。軽視されがちな細部から、過去の日本人の姿を生き生きと浮かび上がらせる。(中公新書・924円)

産経新聞
2022年12月4日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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