会議だってプレゼンだ。ルーティンワークが格段に変わる「プレゼンテーション」能力アップのコツ

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これだけは知っておきたい「プレゼンテーション」の基本と常識【改訂新版】

『これだけは知っておきたい「プレゼンテーション」の基本と常識【改訂新版】』

著者
株式会社ザ・アール [著]
出版社
フォレスト出版
ジャンル
社会科学/経営
ISBN
9784894517523
発売日
2017/03/06
価格
1,430円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

会議だってプレゼンだ。ルーティンワークが格段に変わる「プレゼンテーション」能力アップのコツ

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

いうまでもなく、プレゼンテーション能力はビジネスパーソンの必須スキル。とはいえ、「自信がない」「なかなかうまくいかない」「果たしてこれでいいのかと、いつも迷っている」などの思いを抱いている方も少なくはないのでは?

そうした方のニーズに応えるべく、きょうは『これだけは知っておきたい「プレゼンテーション」の基本と常識 改訂新版2版』(アイング株式会社 著、フォレスト出版)をご紹介したいと思います。

私は長年企業研修の講師を務め、プレゼンテーションのスキルに関してビジネスに不可欠な能力として、新入社員から経営者までさまざまなレベルで指導を行ってきました。

ただ残念なことに、この重要なプレゼンスキルに対して苦手意識をもつ方が少なくありません。その理由の1つは、これまで学校教育や仕事の現場で系統立てて訓練されてこなかったこと。もう1つは、日本文化としての「以心伝心」の精神で、「必要なことを上手に言葉にする」ことに慣れていないことが考えられます。(「はじめに」より)

そこで本書では、“付け焼き刃ではない本物のプレゼンテーションスキル”を身につけられるようにと、初心者でも無理なく学べる方法を明かしているわけです。

そんな本書のSTEP1 基礎知識編「プレゼンテーションの基礎を押さえる」に目を向け、なかなか聞けない基礎的なトピックスを確認してみましょう。

プレゼンテーションとはなにか?

「プレゼンテーション」とは、もともと広告業界において、クライアントに広告案などを説明・提示する際に用いられていた専門用語でした。いまではそれが、広告業界のみならず学校教育やビジネスの場などさまざまな場面で使われるようになったわけです。

では、その意味を簡潔に表すとしたらどうなるのでしょうか?

ひと言でいえば、プレゼンテーションは「ゴールのある話」です。

「一定の目的を達成するために行う自己表現」であり、「相手を説得して目的の言動を引き出すこと」ということもできます。(16ページより)

つまりプレゼンでは、つねに「ゴールに到達できたかどうか」という結果が問われるわけです。そして求められる結果を出すためには、「相手」をよく知り、「目的」をしっかり押さえ、「方法」を工夫することが必要。どれだけ中身がよくても、手段を間違えると結果に結びつかないからです。(16ページより)

どんなときにプレゼンのスキルが必要になるか?

「プレゼン=大規模な発表の場」と考えてしまうと、「自分にはとてもできない」「自分の仕事では機会がない」などと感じられるかもしれません。しかしプレゼンを「目的をもった話」ととらえてみれば、ビジネスは毎日がプレゼンの連続であるということがわかります。

たとえば「企画提案会議」「新製品の発表会」「ビジネスプランの説明」「学会発表」などの大がかりなものだけではなく、「商品販売」「会議での報告」「営業」「面接での自己PR」「朝礼での訓話」「上司への説得」「部下指導」などの日常的なことまでが含まれるわけです。大勢を相手にする場合だけでなく、1対1での対話も考えられるでしょう。もちろん、オンラインでのケースも同様です。

そのすべての場面で、目的を達するために、プレゼンのスキルが必要になります。プレゼン能力が、仕事の成果やあなたの評価に直結するといっても過言ではありません。(18ページより)

したがって、営業訪問や報告などのルーティンワークもプレゼンの場だという気持ちで臨めば、経験値が積み上がり、スキルも磨かれていくのです。(18ページより)

プレゼンに必要な5つの要素

だとすれば、プレゼンを成功させるためにはどんな要素が必要なのかを知りたいところ。

このことに関連して著者は、よくいわれる ①Program(プログラム=内容)、②Presentation Skill(プレゼンテーションスキル=伝え方)、③Personality(パーソナリティ=人柄)の3つのPを引き合いに出しています。

① プログラムに関しては、目的や対象、そして時間などの諸条件を踏まえ、内容や構成をプランニングします。

② 伝え方は、プレゼンの成果を左右する重要な要素です。

いくら素晴らしい中身が準備されていても、その素晴らしさを相手と共有できなければ意味がありません。聞き手の興味を惹き、しっかりと理解させ、行動に移させるには、伝える技術が必要です。

③ の人柄というのは、「誰が話すのか」です。

プレゼンター(話す人)の印象が相手に大きな影響を与えます。

(20ページより)

さらにつけ加えるなら、大がかりなプレゼンでは ④Preparation(プレパレーション=事前の準備・リハーサル)も必要ですし、総合的なスキル向上のためには日ごろの ⑤Practice(プラクティス=訓練)も重要だといいます。(20ページより)

自分の癖(傾向)を確認しておこう

プレゼンテーションの改善、スキルの強化を実現するためには、自分の癖(傾向)を確認することが大切。そこで著者はタイプを提示し、それぞれについてアドバイスをしています。

① 「感性」「言語量+」型

感性豊かで外交的。思ったことをすぐ口に出せるタイプ。

プレゼンの傾向:明るくノリがよい。話が冗長。だらだら思いつきで話す。脱線気味。

改善策:プレゼンの構成を綿密につくる。話し文句的(着地点)をつねに意識する。結論からいう。具体例やエピソードは効果的なものに絞る。

② 「感性」「言語量―」型

感覚的に物事をとらえ、内向きで、考えや思いを言語化できないおとなしいタイプ。

プレゼンの傾向:ナイーブな印象。直観をうまく説明できない。話のつながりが不明。

改善策:具体例やデータを使って根拠を明確にする。順序を追って話す。センスを活かし、メッセージやイメージを凝縮した、きらりと光るフレーズを考える。

③ 「理性」「言語量―」型

理性的で、合理的に判断し、必要以外のことは発言しない、寡黙なタイプ。

プレゼンの傾向:無駄を省いた簡潔な説明。事務的。無味乾燥。遊びがない。

改善策:自分がわかっていることは相手もわかっているはずだと思い込まない。自分の経験などをエピソードや具体例に盛り込む。表情や声が暗くならないようにする。

④ 「理性」「言語量+」型

論理的に考え、メッセージを伝えるために言葉を惜しまない。詳細説明タイプ。

プレゼンの傾向:理路整然。丁寧でわかりやすい。くどい。押しつけ。情報過多。

改善策:相手のレベルに合わせて話す。必要に応じて情報量をコントロールする。早口にならない。聞き手の反応を見ながら話す。単調にならないよう緩急をつける。

(23〜24ページより)

自分のタイプに合わせて必要なことを意識すれば、プレゼン能力をより改善できるかもしれません。(22ページより)

ステップ順に読み進めていけば、必要なスキルを確実に学べる内容。すでに基本が備わっているという方は、必要なステップから読み進めることもできます。プレゼンテーションのスキルを身につけるために、ぜひとも活用したいところです。

Source: フォレスト出版

メディアジーン lifehacker
2022年12月8日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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