『将棋・棋士の素顔――知られざる千駄ヶ谷の魔境』
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『将棋・棋士の素顔』青野照市著
[レビュアー] 産経新聞社
藤井聡太五冠の活躍で活気づく将棋界。昭和40年代から半世紀以上見てきた九段棋士の著者ならではの知識や見聞を集約している。
大山康晴から谷川浩司、羽生善治、藤井まで名棋士を詳しく紹介し、彼らとの初対局の感想も記している。八大タイトルの各棋戦の記述も、日本将棋連盟の理事を長年務めただけに的確だ。
昭和の棋士の「無茶苦茶」ぶりが面白い。奨励会員当時「私より弱い人の記録係はやりたくありません」と断った棋士、茶碗(ちゃわん)にウイスキーを入れて徹夜対局する棋士…。夕刊フジなどの連載をまとめた、将棋愛と棋士の本音にあふれた一冊。(マイナビ新書・935円)