「頼まれたら断れない」HSP気質の人が仕事で意識すべきこと、やらなくていいこと

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繊細すぎる自分の取扱説明書

『繊細すぎる自分の取扱説明書』

著者
中島輝 [著]
出版社
SBクリエイティブ
ジャンル
哲学・宗教・心理学/心理(学)
ISBN
9784815616625
発売日
2022/12/09
価格
1,430円(税込)

書籍情報:openBD

「頼まれたら断れない」HSP気質の人が仕事で意識すべきこと、やらなくていいこと

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

HSPに関する書籍は、過去にも取り上げたことがあります。あらためてご説明すると、HSPとは“Highly Sensitive Person”の略で、「感受性が非常に高く、周囲の環境からの影響を受けやすい敏感な性質を持った人」のこと。いいかえれば、「なにごとにも繊細すぎる人」を指すわけです。

わたしも含め、繊細すぎる人は、五感が鋭く他者の言動や感情を敏感に感じとって相手に対して過剰に感情移入してしまう傾向があります。また、周囲の音やにおい、光などに強く反応。そこから居心地の悪さや不安感を覚え、疲れてしまいます。(「Prologue」より)

『繊細すぎる自分の取扱説明書』(中島輝 著、SBクリエイティブ)の著者もこのように述べています。人に対しても、環境に対しても、出来事に対しても繊細でストレスを抱えやすいため、「敏感すぎる」「怖がり」「神経質」などと思われがちであるわけです。

しかし、それは必ずしも否定的な意味ではないそう。多くの人と異なるということは、特別なものを持っているということでもあるからです。いいかえれば、“ありのまま”でいいということ。

「ありのままの自分がいい」とあなたが思えたときに、人生は輝きはじめます。ありのままで幸せになれる方法がこの本『繊細すぎる自分の取扱説明書』にはつまっています。(「Prologue」より)

そんな本書のなかから、“仕事”に焦点を当てたPART3「仕事がはかどらない自分の取扱説明書」内の「忙しくても、やりたくなくても、頼まれたら断れない」に注目してみたいと思います。

相手を優先し、深く考え、断れなくなっていく

人から頼まれると断ることができないのも、繊細すぎる人の代表的な悩みのひとつ。相手を優先しつつ、「すごく急ぎの依頼かもしれない」「断ったら傷つけてしまうかも」というように、頼まれた内容について深く考えてしまうわけです。

とくに自己肯定感が下がっているときは、「周囲の人からいい評価を得たい」「嫌われたくない」という気持ちが高まるため、ますます“断れない人”になってしまうのだとか。

そのためストレスがたまればたまるほど断れない状態に陥り、断れないから自分の時間も奪われ、さらにストレスがたまって自己肯定感が下がるという、負のループに陥ってしまうのです。

その原因の多くは、「人の気持ちや誰かの期待に応えたいという気持ち」と「批判されないいい人でいたいという願望」にあるのだとか。

でも、それは他人の人生を生きているようなもの。自己肯定感が下がっているときほど、「無理です」と答えるのが難しくなっていきますが、頼みを断ったくらいで人間関係は壊れません。

なぜなら、繊細すぎる人が見せている日ごろのていねいな仕事ぶりは、信頼の貯金となって周囲とのつながりを太くしているからです。(167ページより)

自分が思っている以上に、周囲の人たちはきちんと評価してくれているものなのでしょう。(165ページより)

ありのままの自分の本音の一部でいいから自己開示する

「『無理』と言っていい」という感覚をもてるようになることが、「断れず、疲れてしまう」悩みへの根本的な対策です。(167ページより)

「いまは無理です」と口に出せるようになるための近道は、周囲との関係性を捉えなおすこと。そこで重要な意味を持つのが、「自己開示」の重要性です。いうまでもなく自己開示とは、ありのままの自分を示すことです。

わたしたちには誰にでも長所があれば、短所もあります。同じように強みがあれば、弱みもあります。そういった不完全な部分も丸ごと含めて、素の自分に正直でいるのが「ありのままの自分」を受け入れる状態。(16ページより)

したがって、ありのままの自分を出せていない人、自己開示できていない人は、まず自身の素の部分に目を向けることが大切。

たとえば、「自分の強みや弱みはなんだろう?」「本当に楽しいと思えることはなんだろう?」「いまの自分に足りていない部分は?」というように、自分に自分で自己開示することからはじめてみるべきだということです。

そのとき重要なのは、どんな自分であってもそれを認め、受け止めていくこと。そして、その一部でもいいので、周囲の人たちに自己開示してみることを著者はすすめています。(167ページより)

こちらが断り、相手に任せることは人を育てることにつながる

繊細すぎる人は、あれこれ考え、ありのままの自分をさらけ出すことを悪だととらえてしまいがち。しかし心理学的には、自分をさらけ出せば出すほど、相手はこちらに親近感を覚え、より信頼してくれるようになるのだそうです。

頼まれたら断れない。全部、引き受けて自分でやろうとしてしまう。

そうではなく、あなただけにしかできないことをあなたがやるようにしていきましょう。

ほかの人にもできることは「無理」とお断りして、周囲の人の才能を活かしていく。それが人を育てることにもなります。抱え込みすぎないことは、あなたのためでもあり、相手のためにもなるのです。(170ページより)

とはいえ、自分自身が本来の目的を見失っているということもあるかもしれません。そんなときは、「やるべき」ことと同じくらい「やらなくてもいいこと」を決めるべきだといいます。

花には無数の種類があります。同じタイミングで咲く花はありません。タイミングはあなたが決めていいのです。(170ページより)

つまりは、自分らしくあるべきだということです。(168ページより)

本書を読めば、過去の苦しい経験や環境が、重荷から素晴らしいギフトへと変わるだろうと著者は記しています。それが、心からの深い安らぎをもたらすだろうとも。繊細すぎる自分をなんとかしたいのなら、手にとってみてはいかがでしょうか?

Source: SBクリエイティブ

メディアジーン lifehacker
2022年12月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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